投稿盗用の世界企業に珍要求、精神的苦痛の損害賠償として求めたモノは?

2011/09/29 13:25 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


不特定多数のユーザーが接触を持つソーシャルメディアでは、ときにその書き込みや写真などの著作権を巡って争いごとが起きることもある。中国の微博(中国版ツイッター)でも先日、自身のアカウントの投稿を無断盗用されたとして、ユーザーが企業にクレームを入れる出来事があった。盗用したのがコンドームで有名な世界的企業ということもあり、ユーザーは精神的苦痛に対する損害賠償として珍妙な要求をしたそうだ。

中国メディア半島網などによると、この出来事が発覚したのは9月21日昼、“辣筆小球”と名乗るネットユーザーが自身の微博で「自分のつぶやきが盗用された」と暴露したことが発端。盗用の内容は、コンドームで有名な企業・デュレックス中国支社の微博公式アカウントに、同ユーザーのつぶやきがそっくりそのまま転載されていたというもの。微博では他ユーザーのつぶやきなどを転載する場合、ワンクリックで簡単にできるよう仕様になっており、その際には転載元も併せて記される。にも関わらずデュレックスのような大企業がその機能を使わず、あたかも自分のつぶやきのように振舞ったことが同ユーザーの怒りを買ってしまった。

デュレックスのこの行為に我慢がならない“辣筆小球”は、続いて微博で訴訟の決意を報告。訴訟を起こす目的は「著作権の考えを広めるため」とし、同社に対して精神的苦痛に対する損害賠償として1元(約12円)と、他社製コンドーム100箱を要求する旨を書き記した。同時に、微博で関係を持っていた弁護士2人に対して無料で訴訟代理を行ってくれるよう打診。仮に訴訟を起こして勝訴した場合は報酬として5角(約6円)とコンドーム50箱を(弁護士に)支払うことを約束し、最後に「私は真剣ですよ」とも記した。

すると、2人の弁護士は“辣筆小球”の意思に賛同、無償で訴訟代理をすることに。また、その頃にはこの一件は多くのネットユーザーが知るところとなり、アッという間にデュレックスの公式アカウントは炎上し、批判の声が殺到した。同社は早急に対応せざるを得なくなり、同日午後13時15分には声明文を発表。“辣筆小球”のつぶやきを盗用したことを認め、謝罪するとともに、損害賠償として同社のコンドーム“3年分”を提供すると約束した。

3年分のコンドームが箱にしてどれほどの量になるのかは定かではないが、“辣筆小球”が同社に要求していたのは現金1元とデュレックス社のライバルであるジスボン社製のコンドーム100箱。あくまでも自社製品で対応しようとした同社に「誠意が感じられない」と判断した“辣筆小球”は、この申し出を突っぱね、いったんは物別れに終わってしまう。

しかしその後、“辣筆小球”が折れる形で事態は着地点を見出した。両者の間で具体的にどのようなやり取りがされたのかは伝えられていないが、9月22日夕方には両者ともに「和解が成立した」と発表。デュレックス社が同社のコンドーム200箱を“辣筆小球”に提供することで話がまとまったという。

もともと“辣筆小球”は「著作権の考えを広める」ことを掲げていたため、広く世間の注目を集められたことで、ある程度は目的が達成されたのかもしれない。最終的に“辣筆小球”は今回の騒動の推移を見守ってくれたフォロワーに感謝するべく、提供されたコンドームすべてをフォロワーに贈ることにしたそうだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.