10万通の携帯メッセージ保存、12年前に削除して以来「2度と消さない」。

2011/09/22 15:08 Written by Narinari.com編集部

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英国に、12年前から自分の携帯電話に届いたテキストメッセージを1通残らず保存している女性がいる。その総数は10万通にも及ぶそうだ。

英紙デイリー・メールやサンなどによると、この女性は47歳の芸術家トレーシー・モバリーさん。仕事柄、有名人を含む多くの人と付き合いがあるという彼女がテキストメッセージの保存を始めたのは、1999年のある出来事がきっかけだった。当時、メッセージ機能について全く理解しておらず、自分の携帯電話の画面に現れた封筒マークが「何の印なのか分からなかった」という彼女。しかし、友人に聞いて周り、携帯電話でメッセージのやり取りができると知って驚いたそうだ。

このとき届いていたのは男性からのメッセージ。その中身を確認し、ホッとしたのも束の間、操作の仕方すらまだよく分かっていなかったモバリーさんはメッセージを誤って削除してしまった。これにショックを受けた彼女は、「もう2度と消さないと誓った」(デイリー・メール紙より)そうで、以来、届いたら「保存を確認する」のが日課となった。

そして、現在までに保存されてきた彼女宛てのメッセージの総数は約10万通に。1日平均にしてしまえば20〜30通程度の計算だが、まさにちりも積もれば山となる、といったところだろう。

また、現在市場で流通しているような高機能端末ならまだしも、昔の端末となると、それなりの量を保存するとメモリの容量がいっぱいになることもあった。そんなときはメッセージを確認後、わざわざ紙に書き写していたそうで、2005年に「パソコンに転送できる素晴らしいプログラム」を見つけるまで、保存できないメッセージはせっせと書き留めていたようだ。

そんな彼女を「強迫観念があるのでは」との目で見る人がいることは、本人も自覚している。しかし、彼女は「昔のメッセージを見返すのが好きなのよ」と話し、“9・11”などの世界的な大事件や、彼女自身の離婚などさまざまな出来事に対する、多くの友人らからのメッセージを振り返ることで、単純に自分が歩んできた人生の一片を思い出す“日記”のような意味合いで保存を続けているという。

そしてモバリーさんは、この10万通をベースにして自身の人生を振り返る本を出版。12年前の決意から新たな“作品”が生み出された形で、どんなメッセージも彼女にとっては無駄ではなかったということの表れとも言えそうだ。

ちなみに、そんな彼女が現在使っているのは「iPhone」とのこと。もう「紙に書き写さなくては」と慌てる必要もなく、快適なケータイライフを楽しんでいるかもしれない。

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