「空港で姿消した猫」はどこへ、不手際の航空会社に飼い主らが抗議活動。

2011/09/12 14:59 Written by Narinari.com編集部

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先日、米国のある女性は仕事の都合で引っ越しをするため、ジョン・F・ケネディ国際空港を訪れていた。かわいがっていた愛猫2匹を連れ、新天地での仕事に意欲を燃やしていたのだが、その出発前に信じられない知らせを受けてしまう。搭乗するアメリカン航空の飛行機に“荷物”として預けた飼い猫の1匹がかごから抜け出し行方不明になったのだ。そして、その後の対応にも不満を抱いた女性は、Facebookに今回の顛末を記したページを作成すると、動物愛好者や航空会社への怒りに同情する人たちが集結。一躍有名となった猫の行方に大きな関心が寄せられている。

注目を集めているのは、8月25日にカリフォルニア州サンノゼへ引っ越したばかりのカレン・パスコーさん(42歳)が飼っていた、5歳の愛猫ジャック。米紙ニューヨーク・タイムズによると、この日パスコーさんはサンノゼにあるソフトウェア会社で新たに仕事を始めるため、22年間暮らしたニューヨークに別れを告げ、ケネディ国際空港にやってきた。一緒に連れてきたジャックとバリーという2匹の猫はそれぞれかごに入れて“荷物”として預け、あとは出発を待つのみ。そんなときに飛び込んできたのが衝撃の知らせだ。

アメリカン航空のスタッフが、つい30分前に預けたばかりのジャックが行方不明になったとパスコーさんの携帯電話に連絡。スタッフは「なぜか入っていたかごの鍵が開いた状態になっていた」と説明し、気が付いたときにはジャックの姿がなかったという。結局、パスコーさんはジャックが見つからないまま、バリーだけを連れてサンノゼへ飛び、その後のアメリカン航空の捜索に期待するしかなかった。

ところが心配するパスコーさんがアメリカン航空へいくら問い合わせても「60時間以上、関係者の誰とも連絡が取れない」(米紙ニューヨーク・デイリーニュースより)事態に。実はこの時期、大型ハリケーン「アイリーン」がニューヨークに近付いていた事情で、空港職員が避難していたため捜索は行われていなかったという。数日経って職員が戻ってからは、アメリカン航空もジャックの捜索活動を始めたというが、連絡もつかない対応のまずさにパスコーさんは激怒。飼い主の怒りを知らせるために、Facebookに“ジャック行方不明”の事実を知らせるページを作成した。

すると、ページにはコメントが続々と寄せられ、開始1日で1,000人以上、現在までに1万3,000人以上が参加。さらに、空港でのジャック捜索の話が米国のメディアなどでも報じられると、アメリカン航空のFacebookページにも抗議や利用拒否を訴える意見が多く寄せられたそうだ。この動きに、アメリカン航空側は8月29日からジャック捜索に関するコメントを新たな情報があるたびに更新し始め、関心を寄せる市民へ理解を求めている。

その中でアメリカン航空は、ジャックが逃げた手荷物センターが「広い上にせわしない場所」と釈明しつつ、ジャックのために水や食料も充分に用意して「見つけるためのアイデアを出すため」毎日打ち合わせをしていると説明。当時の防犯カメラ映像やペット捜索の専門家の協力も得て、現在も懸命の捜索活動が続けられている。

パスコーさんもFacebookなどで今回の件が知られたおかげで、真剣な捜索が始まったたことには多少の満足感はある様子。しかし、1日も早くジャックがパスコ―さんのもとへと帰れるよう、アメリカン航空にはより一層の努力に期待したいところだ。

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