自殺直前までラジオDJが“実況”、中国版ツイッターのフォロワーから悔やむ声。

2011/09/06 07:11 Written by Narinari.com編集部

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9月1日夜、中国でラジオDJの男性が睡眠薬自殺を図った。彼は自殺前、微博(中国版ツイッター)上で自身の苦しみを訴えていたが、多くのフォロワーの励ましの声は届かず。最後には「私を恋しく思わないでください」との言葉を残し、この世を去った。ファンや関係者が深い悲しみに包まれる中、微博のフォロワーからは「本当に自殺するとは思わなかった」「狼じゃなかったんだ」と悔やむ声が多く寄せられたが、アカウントは現在、すでに削除されている。    

中国紙羊城晩報などによると、彼の名前は奕揚さん。湖北省仙桃電台でDJを務めていた25歳の男性だ。奕さんが自身の微博で自殺をほのめかしたのは、9月1日13時55分のつぶやき。そこには「バカなことは聞きたくありません。静かに離れます。他の人に迷惑をかけたくありません。私に関心を示してくれたすべての人にお礼を申し上げます」と、まるでファンとの最後の別れを惜しむような言葉がつぶやかれていた。

奕さんの微博アカウントには約7万人のフォロワーがおり、“異変”を感じた数多くの人から励ましやアドバイスの声が届いたが、奕さんの様子は変わることがなく、その約5時間後にはしおれた植物の写真とともに「死は華麗な冒険だと思っていました。私は前世も今の世も信じません。自分の見たものだけを信じます。時間は私を連れて行き、追憶も私を連れて行きます。私は一番良い年齢で、最も美しい景色に出逢えました。満足満足」と、より死に近づいているようなつぶやきを記した。

そして19時23分には、結果的に彼の生前最後のつぶやきとなった「今、頭がとても痛いです。最後の電話をかけました。これで私は安心して離れられます。今回はあまりに慌ただしくて、ここまでです。皆さん、私を恋しく思わないでください」の言葉。その終わりには、割れたハートマークと涙を流している顔の絵文字が添えられていた。つぶやき中の“最後の電話”とは、同日22時ごろに意識不明の奕さんを発見した母親への別れの挨拶だったと見られている。救急病院に担ぎ込まれた奕さんの死亡は、2日午前3時に確認された。

地方局のラジオDJということもあり、奕さんは中国全土で知られるような有名DJではなかったが、まるで自分の仕事のように自身の自殺を微博で“実況”した事実は、業界関係者に衝撃を与えている。

また、「こうしたことを行ったラジオDJは初めてじゃない。ただ、本当にこれが最後であることを願います。戦友よ、生きてください」とほかの同業者を心配する声や、「DJはいつもリスナーに積極的かつ楽観的に振舞わなければなりません。そうした態度を維持するのは大変で、毎日ネガティブな報告などをされると、自身の気持ちにも悪影響を及ぼすもの」と、DJという仕事ならではの悩みを吐露する人も。

微博上では、いわゆる“釣り”で自殺をほのめかすアカウントやつぶやきもしばしば確認されており、今回の一件も、奕さんのフォロワーの中には“釣り”を疑い、あまり気にしていなかった人も少なくなかった。「狼じゃなかったんだ」というつぶやきは、まさにそうした人々から発せられた、悔やんでも悔やみきれない気持ちの現れなのかもしれない。

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