寝ながら見事な絵を描く男性、芸術を学んだ経験なく起床時は「描けない」。

2011/09/03 15:38 Written by Narinari.com編集部

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一般的に大人なら、1日に6時間から8時間は取るのが理想的と言われる睡眠。肉体の疲労回復のためには誰でも必ずしなくてはならない当たり前の行動なのだが、英国には、そんな睡眠中にだけ現れる才能に気が付いた男性がいる。彼が睡眠中に発揮するのは、絵の才能。起きているときには上手に絵が描けないというから何とも不思議な話だ。

この男性はリバプールに近い英中西部の街デンビー出身で、現在はロンドンで活動している37歳のアーティスト、リー・ハドウィンさん。彼は4歳の頃から睡眠中に歩くなどの行動が起きる「睡眠時遊行症」(※いわゆる夢遊病)の症状が出始めたという。無意識のうちに何かを食べたり外に出かけたりと、他人から見ればとても寝ている状態とは思えないこの症状。彼の場合は、なぜか絵を描くという行動で現れた。

しかも、当初は「クレヨンで床や家具に走り描き」(英ニュースサイトロンドン24より)する程度だった彼の絵は、成長するに従ってより複雑なものに。15歳の頃に「夜の才能」に気付き始めたというハドウィンさんは、10代後半になると壁やテーブルなど至るところに絵を描き始め、時には泊まりに行った友人宅の台所を絵で埋め尽くしたこともあったという。このときには「マリリン・モンローの肖像画」など、誰もが認める素晴らしい絵を描ける技術を持つまでになっていたそうだ。

それでも目が覚めたときには、描いているときの記憶は残っていないというから不思議なもの。しかも、起きているときのハドウィンさんは「絵が描けない」と話すほど、得意どころか苦手意識があるようで、学生時代は芸術に関する特別な授業を受けた経験もなく、通常の授業の成績もAからGの7段階中「D」だったそうだ。しかし、睡眠に入ると次々と生み出されていく彼の作品は、いつしか「最高6桁(10万ポンド=約1,250万円)」(英放送局ITNより)で売れるまでのレベルになっていた。

いまや「世界中のメディアやギャラリーからの関心」(ハドウィンさんフェイスブックページより)を集める存在となった彼。日本のテレビで紹介されたこともあるので、ご存知の方もいるかもしれない。

この行動の謎を調べるために訪れたエジンバラ睡眠クリニックでは、医者を困惑させたほどのハドウィンさんの才能。現代の科学では解き明かせなかった自分の謎について、彼は現代人が日常生活を過ごす中で失くしていった“第六感”が自分には残っていると信じているという。

睡眠中に絵を描くという特異な症状のおかげで、アーティストとしての地位を確立したハドウィンさん。描いてるときの記憶がないということは、睡眠中の才能をコントロールする術もないだろうが、今後も素晴らしい作品を生み出していくためにも、毎日しっかりベッドに入り睡眠をとってもらいたいものだ。

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