中国のパクリアニメに賞授与、中国ネットユーザーからは呆れと怒りの声。

2011/08/30 14:51 Written by Narinari.com編集部

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いまから2年ほど前、中国国営テレビ(CCTV)で放映されたアニメが、日本の新海誠監督のアニメ「秒速5センチメートル」を盗作したとして、大きな注目を集めたのはご存知だろうか。盗作疑惑が取り沙汰されたのは、広西チワン族自治区の柳州市委宣伝部と柳州市藍海科技有限公司が制作した「心霊之窓」という作品。当時は中国のネットユーザーが両作品のキャプチャー画像を並べて比較・検証し、盗作疑惑を徹底的に追及するなど炎上状態となっていたが、そんな「心霊之窓」がこのたび、中国の文芸作品に与えられる賞を獲得してしまい、再び炎上騒ぎになっている。

今回の“再点火”の発端は、先日表彰式が催された地元政府主導のコンペ「第六回広西文芸創作銅鼓奨」の結果だ。このコンペは2005〜2009年の5年間に創作された数ある文芸作品の中から優秀作品を選出するというもので、今回は13カテゴリー計449件の作品が出品されていた。そして専門家の審査などを経て、最終的に66件の作品に賞が授与されたのだが、そこに盗作疑惑が持ち上がった「心霊之窓」も堂々と含まれており、この事実を知った中国のネットユーザーが激怒。いくつもの掲示板に情報が書き込まれ、再び炎上したというわけだ。

あるネットユーザーは「このコンペは広西の最も権威ある文芸賞」と紹介した上で、「盗作作品に賞だなんて、広西の文芸レベルは低すぎる」と憤りを見せる。また、別のネットユーザーは「盗作疑惑のある作品を制作した会社が賞を獲るなら、もっと多くのアニメ制作会社が盗作するはず。なぜなら盗作はオリジナルよりも制作費を安く済ませられるから」と指摘。掲示板や微博(中国版ツイッター)などでさまざまな意見が書き込まれる中、大半のネットユーザーはこの一件に呆れ返っている様子だ。

この件について、地元メディアが「心霊之窓」の制作会社にコメントを求めたところ、担当者は「出品した作品は(盗作疑惑で)問題となったシーンを修正したもの」と反論し、「受賞に問題はない」と堂々としている。とは言え、コンペを管轄する委員会は再び起きた騒動を重く見ており、「もし受賞作品の盗作が認められれば、厳重な処罰を下す」と明言。再度厳正な審査を行う旨を表明している。

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