ボトルメッセージ探しに情熱、“ハンター”名乗り時にはカリブ海遠征も。

2011/08/15 14:32 Written by Narinari.com編集部

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いつどこで拾われるかは分からなくとも、見知らぬ誰かに届けと海や川へ流すボトルメッセージ。米国には、そんなボトルメッセージ探しに情熱を傾ける男性がいる。普段は大学で講師を務めているこの男性は、時間を見つけては海岸などに出向き、ボトルの捜索作業に没頭。また、よく見つかるカリブ海の島も頻繁に訪問するなど、2007年からの4年間で40本を見つけ、送り主と連絡を取ろうと試みているそうだ。

この男性は、ケンタッキー州レキシントンにあるケンタッキー大学で講師をしている、26歳のクリント・バフィントンさん。「子どものときから、いつもボトルメッセージを見つけたいと思っていた」(米放送局FOXニュースより)と話す彼が、実際に初めて見つけたのは大人になってからの2007年だった。父親が住む家を訪ねた際、彼はメモと2ドル(約150円)のお札が入っている青いボトルを見つけたという。このとき「心臓発作を起こしたよう」と形容するほど衝撃的な喜びを感じた彼は、以来“ボトルメッセージハンター”を名乗り、海岸へ出向いては積極的に探すようになった。

そして、ボトルが漂いそうな海流の流れを調べたところ、カリブ海に浮かぶ英国領のタークス・カイコス諸島に漂着する可能性が高いことが判明。大学の仕事が休みのときを存分に使い、これまでに10回以上も島に訪れてはボトル探しを行っているそうだ。その甲斐あって、彼が見つけたボトルメッセージはこれまでに約40本。彼はこれらを見つけると、今度は送り主の連絡先を調べる作業に取り掛かる。長年水の上を漂ったメモの中には、字が薄くなっていたり、相手の具体的な情報があまり書かれていないことも少なくないようで、時にインターネットなども駆使して、懸命に連絡先を調べ上げるという。

米国以外にも欧州やプエルトリコからのボトルもあった中、彼がこれまでに連絡を取ることができた送り主やその関係者は11人。最近では今年7月、ニューハンプシャー州から約50年前に流されたとされるボトルメッセージの送り主を彼が発見し、連絡を取ったのが米国で話題となったばかりだ。

このとき見つけたのは、タークス・カイコス諸島の砂浜に漂着していた「苔に覆われたコーラの瓶」(米紙ボストン・グローブより)。その中に書かれた情報から場所を特定していき、人づてに情報を得た末に送り主の娘にたどり着いた。送り主の男性は20年前に亡くなっていたが、連絡を受けた男性の娘は「本当に素晴らしいです。暖かな気持ちにしてくれました」と感激していたそうだ。

ほかにも、彼からの連絡を受けたことをきっかけに、新たな行動を起こした送り主もいる。ワシントンD.C.在住の夫婦は1999年に初めて迎えた結婚記念日を祝い、大西洋にボトルを投げ入れた。これをバフィントンさんが2007年に発見。連絡先探しに手間取った彼は、2008年に新聞の取材でボトルの中にあったメモの存在を明かすと、偶然夫婦の友人がそれを目にして連絡し、バフィントンさんと夫婦は出会えたそうだ。その後、彼と2度顔を合わせた夫婦はボトルを発見してもらえた喜びから、今度は真珠を模したネックレスとメモを入れた箱を流し、見知らぬ人へ「一緒に平和を祈ろう」と呼び掛けるプロジェクトを始めたという。

さまざまな人との喜びを重ね、今も新たなボトル探しと送り主探しに情熱を傾けるバフィントンさん。その様子は、今年6月に開設された彼のブログ(//messageinabottlehunter.wordpress.com/)で垣間見ることができる。嬉しい報告がたくさん記されていくよう、今後の更新に期待していきたいところだ。

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