“袖まくり禁止”の校則に賛否、校長の「見た目が好きじゃない」で決定。

2011/08/11 15:18 Written by Narinari.com編集部

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オーストラリアのある学校で、いま、校長の独断で決まった校則が波紋を広げている。その校則は「上着の袖まくり禁止」というもので、導入を巡っては生徒の親の間でも賛否が分かれているようだ。

豪地方紙ゴールドコースト・ブルティンによると、この学校はクイーンズランド州ハイランドパークにある小学校。8月2日の朝、集会を開いた学校側は生徒たちに突然「上着の袖まくり禁止」との新しいルールを発表した。直接、生徒たちに向かって発表した校長は、自分で袖をまくりながら「私はこれが好きじゃない。だらしなく見える」と説明。学校では、この日からすぐに厳しい取り締まりが始まった。

実は学校側が袖まくり禁止の方針を打ち出したのはこれが初めてではない。昨年も生徒に注意を呼びかけたことがあったのだが、保護者の間から異論が噴出していた。その結果、ルールの正当性を巡って保護者だけでなくメディアの注目も集めてしまい、学校側は数日で袖まくり禁止の方針を断念した経緯があるそうだ。

こうした経緯を踏まえ、今回の発表では水面下で周到な根回しを行っていたのか、学校側を後押しする大人たちも少なくないという。クイーンズランド州教員委員会は、今回のルールに問題なしの姿勢。また、学校内では「P&C」と呼ばれる日本のPTAのような組織に入っている保護者らも、生徒の取り締まり活動に協力している。

ただ昨年の一悶着に続いて、今回も校則化に納得していない親子も当然いる。息子のジェイデンくんをこの学校に通わせているアマンダ・クレイグさんは、この話を聞いて「びっくりした」そうで、怒りを抑えきれずに学校へ急行。そして学校にいた「P&C」の女性と話をする中で、校則化されてしまったという現実を理解したようだ。

日頃からきちんとした身だしなみを意識させるために禁止すべきか、それとも行き過ぎた指導なのか、再度この学校で起こった袖まくり禁止を巡る論議。同紙に寄せられたコメントを見ると、「学校は子どもたちがどう見えるかなんて心配しなくていい」「校長は学校の親子にとって素晴らしいリーダーだ」などなど、新校則に対する意見は分かれている。

とはいえ、子どもを立派に、きちんと成長させたいと願うのは共通の想いのはずで、グレイグさん親子をはじめとする反対派と学校側の両者が、さらなる話し合いで子どもたちのために良い方向性を見出せるよう願いたい。

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