見慣れぬ猿現れ“宇宙人”騒動、病気と栄養不足で痩せこけ凶悪な姿に。

2011/07/26 16:27 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


未確認飛行物体(UFO)や未確認生物(UMA)といった“未知の存在”に関する話題は、世界各地からはしばしば聞こえてくるが、先日、中国のある農村でも「“宇宙人”が現れた」と村人が騒然となる一幕があった。しかし、よくよく調べてみると、それは痩せこけた病気の猿だと判明。しかも国家一級保護動物に指定されている絶滅危惧種だったという。

中国ニュースサイトの中部招商網などによると、“宇宙人”が確認されたのは、河南省石佛鎮葛寨村のある畑でのこと。7月中旬、村人の黄百峰さんが畑で農作業をしていると、丸い目玉をぎょろつかせた小さな生き物がキュウリをむさぼっていた。身体には体毛があるものの、首から上はつるつるに禿げあがった状態で、手足の指は人間のように長い。黄さんは恐れおののき、助けを呼ぶことにした。そしてやってきた毛喜平さんがそっとこの生き物に近付いて手を伸ばしたところ、危険を察知した生き物は咄嗟に反撃。毛さんは危うく指を噛まれそうになった。

最終的に毛さんはロープを使ってなんとか生き物を捕獲することに成功。家に連れ帰って夫に見せることにした。すると“謎の生き物”が捕獲されたという情報は瞬く間に村中へと知れ渡り、毛さんの家には続々と野次馬が集結。それを見た村人たちからは「まるで鬼のようだ」「宇宙人みたいだ」「(映画の)『アバター』で似たような生き物を見たぞ」など、さまざまな意見や憶測が飛び交ったが、結局は誰ひとりとして正体はわからず、判断は専門家に委ねることになった。

数日後、この“謎の生き物”のもとに鄭州市林業局野生動植物保護所の関係者が現れ、注意深く観察したところ、これは宇宙人でも鬼でもなく“猿”であることが判明。猿といっても中国でよく目にするような猿ではなく、南方に生息する絶滅危惧種のスローロリス(道化猿)だった。

関係者の話では、普通のスローロリスは無邪気でとても可愛らしい動物なのだが、このスローロリスは病気を患っており、また、栄養不足のために体毛のはえ代わりがスムーズに行われていないため、猿かどうかも判別しづらい痩せこけた凶悪な姿になり果てていたのだという。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.