子どもの頃の憧れを捨てられず、マイ収集車で清掃に走る英国の男性。

2011/07/10 06:47 Written by Narinari.com編集部

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子どもの頃、様々なきっかけから「将来はこんな仕事をしたい」と夢を抱いていた人は多いだろう。男の子ならスポーツ選手、女の子ならケーキ屋さんなどが人気職業の定番だが、その一方で、中にはあまり人の注目を集めない仕事を好きになる子どももいるのが個性というものだ。英国で造園業を営む48歳の男性は、子どもの頃に街で見かけた収集車を見て、ゴミ収集の仕事に憧れたそう。彼は今でもその夢を捨てられず、紆余曲折を経て現在は毎年夏に“マイ収集車”で英国各地を運転。ボランティアで各地の清掃員たちに交じり、ゴミの収集作業を手伝っているという。  

英紙デイリー・メールやデイリー・ミラーなどによると、この男性は英南部ワイト島で暮らすスティーブ・ジョーンズさん。彼は小さい頃、いつも家にやってくるゴミ収集車を見て、清掃員が憧れの職業になった。「破壊する機械でゴミが潰されていくのを見るのが好きだった」(デイリー・メール紙より)と話すジョーンズさんは、仕事の内容というよりは収集車の虜になったようだ。その熱の入れようは、休みの日ともなれば自転車で収集車の後を付いて周るほどだったとも。そんな日々を過ごした彼が清掃員になりたいと願うのはごく自然なことだった。

その熱は成長しても収まらず、18歳になった1981年からは、休みの日に地元の清掃員に交じって自ら収集作業に参加。そして1987年、24歳のときには念願だった清掃員の仕事が本職となり、夢を叶えて充実した日々を送るかに思えた。ところが現実には様々な困難が付きもので、やる気に満ちたジョーンズさんに対し、周囲の同僚たちの労働意欲はまるでなし。そうした毎日を繰り返すうちに失望した彼は、4年でその職場を離れてしまった。

しかしジョーンズさんは、離職してもゴミ収集の仕事自体への関心は失ってなかった。本職としては辞めたものの、1994年からはボランティアで再び収集作業に参加し始めると、自ら古いゴミ収集車を購入。行動範囲を広げた彼はワイト島を飛び出し、休みともなれば英国各地を収集車で周り、地元の清掃員にお願いして作業に参加するようになった。

さらには海外へも足を向け、キプロスやマルタでもゴミ収集を経験。現地では午前5時に起き、地元の清掃員に参加させてくれるよう説得するところから始まったそうで、彼は「きっと彼らも喜んでくれたはず」と満足そうに語っている。

今もゴミの収集に「すべての休みを捧げる」と言い切るジョーンズさん。これからも“マイ収集車”を使って英国各地で活躍するはずだが、そんな彼の次の目標は大好きな車種の“憧れの収集車”を買うこと。「宝くじで当たったら買う」(デイリー・メール紙より)と話しているが、いつか自分がそれを運転して収集する姿を夢見て、今は作業に励んでいるようだ。



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