ヘラジカの小動物救助が話題に、“あり得ない”行動に飼育員たちも感動。

2011/07/03 15:23 Written by Narinari.com編集部

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先日、米国のある動物園で見られた動物の心温まる行動が話題を呼んでいる。動物園で飼育されているヘラジカが、水の中に落ちてしまったリスの仲間のマーモットを悪戦苦闘の末に救出。その様子を見守っていた飼育員たちは「信じられない」と感動したという。  

米放送局NBC系列KPVIなどによると、この救出劇の舞台となったのはアイダホ州にあるポカテッロ動物園。先日、ここで飼育されているシューターという名の4歳のヘラジカが、水飲み場で不思議な行動をしているのを獣医のジョイ・フォックスさんが目撃した。大きな桶が置いてある水飲み場でシューターは水を飲むわけでもなく、顔を突っ込んだり足で蹴ったりする挙動不審な動きをしていたそう。その動きを怪訝に思ったフォックス博士は、カメラを手に観察し始めたところ、思いもよらない結末が待っていた。

何が起きているのか気になりながらも、離れた場所から様子を見守っていたフォックスさんや飼育員たち。なぜすぐに近くへ確認に行かなかったのか、それは体長1.8メートルのシューターを含め、大きな体に逞しく広がった角を持つヘラジカの檻の中に入るのは「スタッフの中には躊躇する人がいるほど」(英紙デイリー・メールより)危険を伴うためだ。

時には「車のタイヤをパンクさせる」荒々しい一面も見せるシューターは、鼻を近付けたり、水飲み場の周りをウロウロしたりと落ち着かない様子で、水の中を気にし続けること15分が経過。すると、突然水の中に顔を沈めたシューターが再び顔を現すと、口でパクリと、ずぶ濡れのマーモットをくわえていた。

そして彼はマーモットをそっと土の上に戻してやると、まるで「行け」と促すかのように足でつついたそう。シューターのおかげで水の中から脱出できたマーモットは茂みへと退散し、この救出劇は完了した。彼が見せた優しい一面に、一部始終を見届けたフォックスさんは「本当に素晴らしかった」と感動したという。

動物園の関係者たちが「信じられない」と話す今回の行動について、ポカテッロ動物園飼育員のケイト・オコナーさんは「園内での飼育環境による行動」(KPVIより)とその要因を分析。食事などの基本的な生活ニーズが満たされているシューターは、「生存のため以外のことにも頭を使っている」ため、そのおかげでマーモットの救出も可能になったと見ているようだ。

それでも動物の専門家であるフォックスさんでさえ「どれくらい“あり得ない”ことなのか、一晩中考えた」と話すほど、滅多にない行動を見せたシューター。ちなみに動物園は、今年の生え変わりで彼の角が落ちたときには、オークションにかけて売る予定だという。

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