先日、中国の役人の視察風景を撮影した写真が“加工写真”であることが発覚し、多くのネットユーザーから批判を浴びる一件が起きた。すでに関係者は加工の事実を認め、謝罪も表明している状況だが、今のところまだ騒ぎは収まっていない。

騒動の発端は6月27日、四川省涼山イ族自治州会理県の政府サイトに掲載された写真だ。写真には新しく建設された道路を視察している3人の役人が写っているのだが、3人とも地面に足がしっかりついていないように見えるだけでなく、遠近感もおかしなものだったため、すぐにネットユーザーから「加工写真だ」と指摘され批判を浴びることになった。騒ぎになったことを受け、会理県は同日午後には加工を認め、ミニブログ上で謝罪。しかし、一部のネットユーザーは3人を“宙に浮く役人”と呼び、写真をさらに加工しては次々とブログなどにアップロードするという遊びを始めてしまった。

中国大手検索サービスの百度で「懸浮視察照」と入力して画像検索を行うと、おもしろおかしく加工された3人の画像が無数に表示される。あるネットユーザーは3人について「これぞ中国役人の代名詞だ」と評しており、3人の姿が中国人にとって、とてもわかりやすい役人像だったことが、ここまで盛り上がっている理由のひとつとなっているようだ。

ちなみに、会理県が3人の写真を加工して、政府サイトに掲載した理由は「視察の際に撮影した写真で最適なものがなかったからです」とのこと。見栄えを良くしようと加工した写真がネットユーザーのおもちゃにされ、さらに見栄えも悪く加工されているという、何とも皮肉な結果となってしまった。