父の日に24時間抱擁した親子、感謝の気持ちを伝えるパフォーマンス。

2011/06/22 06:01 Written by Narinari.com編集部

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今年は6月19日だった父の日に、日頃の感謝を込め、お父さんに何かしらのプレゼントをしたという人も少なくないだろう。大切なのはその思いを伝えること、どんな気持ちの表し方であっても、受け取ったお父さんたちは間違いなく喜んでいたはずだ。そんな父の日に、一風変わった感謝の気持ちを受け取った父親が米国にいる。“パフォーマンス・アーティスト”をしている息子から受け取ったのは、「24時間抱き合おう」という申し出。これを受け入れた父親はスポーツジムに用意されたボクシングリングの会場で、父の日の丸1日を息子と抱き合って過ごしたそうだ。

このイベントを思い付いたのは、フロリダ州オーランドでパフォーマーとして活動しているブライアン・フェルドマンさん。彼はこれまで、制限時間を区切った中でさまざまな表現を行う「100以上のプロジェクト」(米紙オーランド・センチネルより)を実行に移し、地元でも知られた存在だという。中には身内を巻き込んだパフォーマンスもあり、今回は父の日に合わせて父親のエドワードさんが“標的”になってしまったようだ。

ただ、今回のパフォーマンスは彼の思い付きではなく、2008年にアーティスト仲間が行った“赤の他人と21時間抱き合うパフォーマンス”に「影響を受けた」(米ケーブル放送局セントラルフロリダニュース13より)のがきっかけ。これをブライアンさんは、父への感謝の気持ちとパフォーマンス活動を合わせて行おうと決め、今回の開催に繋げたというわけだ。

会場となったスポーツジムのボクシングリングに、親子は6月18日深夜に到着。集まったボランティアらが見守る中、日付が変わった6月19日午前0時からパフォーマンスは始まった。「ほかの人たちは、どのくらい自分の父親と抱き合う機会があるのだろう」(オーランド・センチネル紙より)と、イベントの意義を唱えたブライアンさんだが、だからといって丸1日ずっと抱き合うというのも極端な話。言い出した本人もその厳しさは覚悟していたようで、開始前には「これまでで最も困難なプロジェクトになるだろう」とこぼしたという。

というのも、イベントに合わせてブライアンさんが開設したボランティア募集サイトによれば、2人が休憩できる時間に設定したのはトイレの時間だけ。さらにトイレに行く機会も出来るだけ減らしたいと、イベント中は水は一切飲まない予定だったようだが、さすがに実際には「食べ物はないが、水だけは飲んでいた」(セントラルフロリダニュース13より)という。また、じっと立っているだけでも苦痛だった様子で、2人は「リングを動き回ったり、片足で立ったり」しながら、時間を過ごしていたそうだ。

折り返し地点の正午過ぎからは、10ドル(約800円)でリストバンドを購入した一般客の入場も開放し、ここから気持ちも新たに踏ん張った2人。多くの人にも見守られながら、父の日が終わる午後11時59分に、イベントは無事終了した。リング上では「お互い話さえしない」と決めておくほど、集中して抱きしめ合ったこの親子。日ごろの父親への感謝と共に、パフォーマンスに付き合ってくれた深い愛情を、ブライアンさんは改めて感じ取ったに違いない。

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