猫誘拐犯が1億円の身代金要求、飼い主は悲しむも「6万円程度の価値」。

2011/06/19 13:10 Written by Narinari.com編集部

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ポーランドに住む12歳の少年は、かわいがっていたペットを巡り、良からぬ事態に巻き込まれてしまった。今年5月、少年が飼っていた珍しい品種の猫が家から姿を消し、深い悲しみの中で必死の捜索活動を続けているときにかかってきた1本の電話。それは猫を誘拐したと告げる内容で、犯人は少年の愛情を踏みにじるかのように、法外な身代金を要求してきたという。  
 

ポーランド紙ファクトなどによると、この事件が発生したのは5月23日のこと。ポーランド南部ミスウォヴィツェで暮らす12歳の少年は、メコンボブテイルという珍しい品種の飼い猫が家から姿を消し、大慌てしていた。“美しい青い目”を持った猫を少年は心から愛し、猫もまたよくなついていたそう。それだけにこの事態には、母親が「心配し過ぎて我を忘れていた」(オーストリアニュースサイトのオーストリアン・タイムスより)と話すほど少年は混乱。すぐに猫の捜索を始めた。

少年は街中にポスターを貼って情報提供を呼び掛けるも、特に有力な情報もないまま時間だけ経過。家族ともども最愛の猫発見を「ほぼ諦めかけていた」そのとき、家に1本の電話がかかって来たという。電話の主は男性で、話をするとこの男性から「猫を預かっている」と脅迫の言葉。行方不明になった猫は姿を消していたのではなく、卑劣な男性によって誘拐されていたと、ここで家族が知ることになる。

しかも、この犯人の口からは「返して欲しかったら100万ユーロ(約1億1,500万円)を払え」と身代金の要求も。どうやら犯人は猫が珍しい品種であると知り、価値があると睨んで今回の誘拐を実行したようだ。しかしいくら愛するペットのためとはいえ、1億円を超える金額は、一般家庭にとってはあまりにも大金。少年の母親も「うちにはそんなお金がない」と困り果ててしまった。

一方、幸せな日常を取り戻すことが、自分ではどうにもできないくらいの難題になってしまった少年の胸中はもっと複雑なはずだ。彼は「猫は500ユーロ(約6万円)以上の価値はない」と話しているそうで、その言葉には犯人の軟化を期待する気持ちが含まれているようにも。「どうしたら良いのか分からない」と頭を抱える母親も、そんな彼の気持ちは充分理解しているようで、「もし払わなかったら息子がとても悲しむかも」と不安を滲ませているそうだ。

その後、家族から通報を受けた警察が捜査を開始。今回の犯人は金銭を要求した罪に問われ、懲役3年の刑に処される可能性があるそうで、警察も「バカな犯人を見つける」と懸命な姿勢を見せている。価値はどうであれ、少年にとって猫はかけがえのない存在。1日も早く犯人が捕まり、少年と猫が無事に再会できることを願いたい。

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