愛犬が巨大な岩の間に挟まった、男性4人が1週間がかりで動かし救出。

2011/06/07 13:43 Written by Narinari.com編集部

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先日、狩りをしようと山へやって来たオーストラリアの男性は、連れてきた愛犬が巨大な岩の間に落ち、身動きが取れなくなるという事故に見舞われた。男性は友人や救助隊の力を借りて、1週間がかりで岩を動かす救助活動を展開。その結果、岩の隙間を広げることで、無事に救出できたそうだ。   

5月21日、ビクトリア州バララット近郊にあるマウント・べックワースを訪れたスティーブ・ポーターさんは、ジャック・ラッセル・テリアで4歳の愛犬ジェシーを連れてウサギ狩りを楽しんでいた。これまでも数回狩りに来たというポーターさんは、いつも通りジェシーを辺りで遊ばせておき、自分は狩りに熱中していたそう。ところが、これまでなら狩りが終わる頃には自分のもとに戻って来るはずのジェシーが、この日はなかなか姿を現さない。そして「すぐに戻って来るだろう」(豪紙バララット・クーリア―より)と考えていたそのとき、聞き慣れた鳴き声が彼の耳に届いた。

狂ったような叫び声をたどって駆けつけてみると、ジェシーがいたのは大きな岩の間にパッカリと空いた割れ目の中。「約3.5メートルほどの深さ」(豪紙ヘラルド・サンより)の場所で、ジェシーは頭と前脚だけをパタパタと動かし、身動きが取れない状態になっていた。それは、見た人の多くが「絶望的」(バララット・クーリアー紙より)と感じるほど困難な状況だったそう。なぜなら救助活動をするためには、ジェシーとの間を遮る大きな岩をどうにかしなければならなかったからだ。しかし、「犬は人間にとって最高の友だち」というほどジェシーを溺愛していたポーターさんは、すぐにミッションに挑む気持ちを固めた。

まずは息子のトムさんと友人2人の力を借りて、ジャッキやバールを使って岩をどうにか動かそうと試みたが、数十トンもある大きな岩はびくともせず。4人の作業は全く効果が上がらず、結局、州の緊急援助隊に連絡して協力を仰いだほか、95トンの重さの物を動かせる水圧ポンプも運んでもらった。早く何とかしなければとポンプを使って「ミリ単位で巨大な岩を動かす」(ヘラルド・サン紙より)のと同時進行で、トムさんが工具を使って岩を削り続け、少しでもジェシーに近付こうと努力を続けたという。

作業は毎日夜遅くまで続き、ひたすら繰り返すこと約1週間。5月27日にようやく救出の見通しが立つと、地元の動物保護団体から借りた野犬捕獲用の機材をジェシーの体に巻き付けることに成功し、同日午後9時にジェシーはようやく自由の身となった。感動のその瞬間、救出に携わった人たちは皆「ジャンプして」大喜び。ポーターさんも「とても感動した」という。

一時は救出の見込みが乏しいと考え、彼も諦める気持ちがよぎったというが、「すべての可能性を試さずに希望を捨てることができなかった」そうで、その気持ちとジェシーの頑張りが、無事救出という最高の形に繋がったと言えそうだ。

その後病院で診察を受けたジェシーは、1週間不自由な状態に置かれていたにも関わらず、「泥だらけで脱水症状だった以外はほぼ無傷」とされ、ほぼ健康な状態にあるという。獣医は涼しい気候が幸いしたと話すが、「ジェシーがタフな犬」であったことも助かった大きな要因と見ている。「『やるだけやってみよう』と言うのは簡単だけど、私たちはやってのけたんだ」と胸を張るポーターさんとジェシーは、これからも最高のパートナーとしてお互いを支え合っていくに違いない。

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