三池崇史監督と瑛太がカンヌで会見、コンペ出品の映画「一命」振り返る。

2011/05/20 05:39 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


5月11日からフランスのカンヌで開催中の第64回カンヌ国際映画祭。そのコンペティション部門に出品された映画「一命」の三池崇史監督と主演の瑛太らが5月19日、現地で公式記者会見を行った。

「一命」は、滝口康彦が1958年に発表した「異聞浪人記」が原作。貧しくとも愛する人と共に生きることを願い、武家社会に立ち向かった2人の侍の生き様を描いた作品だ。今作では市川海老蔵と瑛太がダブル主演を務め、ほかに役所広司、満島ひかりなどが出演。また、3D作品として制作され、今回のカンヌ国際映画祭コンペ部門では、その歴史上初の3D上映となることも注目を集めている。

記者会見に臨んだ三池監督は「カンヌ映画祭で初めて3D上映撮影されます。今回私自身、初めての3D映画の撮影となったわけですが、日本独特の狭い空間にある奥行きを3Dの技術を使い、撮影したいと思いました」と、3D作品に挑んだ狙いを説明。

カンヌ映画祭への参加については「1日1日、撮影を日々積み重ねることによって、映画は生まれ、その結果、このような映画祭に参加することができ、うれしく思います」と喜びを語り、主演の2人を「海老蔵さんの“形(かた)”で作る演技と、瑛太さんの“感情の揺れ”が生む演技の出会いがありました。それは私が持っていないものでした」と称賛した。

瑛太は「俳優として、日本人として、このような場に参加できたことを光栄に思います。家族を守るために自分の命を懸けた男・求女を演じ、人は自分の家族のためにどこまでできるのか、について、僕自身考えさせられました」とコメント。撮影現場での三池監督は「厳しいという印象を受けていましたが、実際はユーモアがたくさんある方で、僕の質問にも丁寧に答えてくれました」と、実際に接してみると当初の印象とは異なったそうだが、「(監督から)常に瑛太はどんなのものが出せるのか、といつも問われている気がして、緊張の連続でした」と、撮影時を振り返った。

そして、プロデューサーを務めたジェレミー・トーマス(「戦場のメリークリスマス」「ラスト・エンペラー」など)は「『ICHIMEI』は日本人の礼節や威厳を描いており、時代設定は江戸時代ですが、現代にも通じる精神のありかたを描いています。日本では最近、震災の惨事がおこり、そこに立ち向かう姿が報道でも伝えられています。この映画は、世界の人にとっても、人としての誇りを失わないという生き方が、模範にもなるのではないかと思います」とコメントしている。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.