先日、米フロリダ州で行われたトライアスロンでのこと。レースに参加していたある女性が、競技を中断して見ず知らずの人の命を救うという一件がありました。

米紙セントピーターズバーグ・タイムズなどによると、同州タンパ郊外のセントピーターズバーグで開催されたトライアスロンに参加していた37歳のテレサ・マッコイさんは、自転車レースが終盤にさしかかったときに、道路脇で警察官2人と、その足下で意識を失って倒れている男性を見かけました。そして、その男性がレースの前に、少し会話を交わした人物だと気が付いたのです。

実はテレサさんは、心臓疾患が専門の看護師。仕事柄、倒れている人を放っておけるわけがありません。次々と男性の脇を自転車が通り過ぎていく中、テレサさんはレースそっちのけで自転車を降り、男性のもとへ走りました。

駆け寄って素早く容態を探るテレサさん。男性に脈がなくなっているのを見極めると、救命処置のための蘇生を開始。心臓に電気ショックを与えるためAED（自動体外式除細動器）を持って来るように周囲に声をかけました。

幸い、警察官のパトロール車の中に常備していた機械があり、それを使ったところ男性はすぐに蘇生。救急車で病院に運ばれ、さらなる治療を受けることができ、現在は順調に回復へ向かっています。

人助けに一役買ったテレサさんですが、この一件のあと、すぐ自転車にまたがってレースを続行。きっちりと完走したそうです。