中国の村が独自に定める“掟”、手続きにルールなく法律抵触の場合も。

2011/04/30 15:21 Written by Narinari.com編集部

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中国の村には、「村規民約」と呼ばれる村独自のルールが存在している。これは言ってしまえば“村の掟”を明文化したもので、国の法律に背かない範囲であれば、各村はある程度自由に定めることが可能だ。しかし、この「村規民約」を制定するには決まった手続きがあるわけではなく、ときには過激な条項が制定されてしまうこともある。中国のメディアでは先日、そんな「村規民約」について、ある村のケースが話題を呼んだ。

中国紙南方農村報などによると、話題となったのは、広東省連南香坪鎮の盤石村が定めた「磐石村村規民約」。これには20の取り決めが記されており、その多くは何か問題を起こした際の処罰に関する条項で占められているそうだ。

具体的には、例えば「理不尽な行為を行った公務員は、その罪が軽い場合、200〜300元の罰金を科す」「民事のトラブルを仲裁する場合、1件につき200元を徴収する」「浮気した男女は罰金1,500元を科す」などなど。村の主任の話では、もともとあった村の規則は名ばかりで効力がなく、それに一部の村人が反発、結果としてこのような処罰に関する取り決めを盛り込んだものを制定する運びになったという。

しかし、この盤石村の規定には、明らかな違法箇所がいくつか確認されている。国の「行政処罰法」や「治安管理処罰法」などに抵触しているだけでなく、「人民調解法」(共産党の基層組織である村民委員会や居民委員会の調停員が、市民生活上の紛争を調停してくれる制度に関する法律)にも抵触。この法律には、委員会が村人の間の紛争を仲裁する場合は「いかなる費用も受け取ってはならない」との規定があり、絶対に罰金を科すことは許されない旨が記されているため、仲裁に関する条項でお金を徴収する「磐石村村規民約」には疑問の声が上がった。これ以外にも、いろいろなことに罰金を設定しているのは違法の可能性があり、村民の不満が募っているそうだ。

なお、こうした「村規民約」は、かつて浙江省台州市の小板橋村の「村の2つの委員会の許可を経ずに上級機関に陳情した場合、1〜10年間、政府から支給される食糧補償費を差し引く」、重慶市大足県のある村の「処女でなければ土地は分け与えない」といった条項が物議を醸した例がある。

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