同性婚が認められるまで異性婚の証明書発行拒否、米教会の決断に批判も。

2011/04/26 20:21 Written by Narinari.com編集部

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キリスト教は同性愛を厳しく禁じているため、信者の多い米国では、必然的に同性愛をタブー視する声が少なくありません。それでも「いかなる人種や思想でも国民は皆平等」とは、合衆国憲法で定められている通り。これは米国人の多くが自国の誇りと思う点でもあり、同性愛を認めないことは、その根本的な部分に反するという意見も根強いのです。

この二つの対比する考えもあって、同性愛者間の結婚を法的に認めるかどうかというディベートは、繰り返し行われてきました。現在のところ数州では同性婚が認められていますが、カルフォルニア州のように一度は合法とされても、その後二転三転して、いまは「合法だが新たな結婚は認めない」といった複雑なケースもあります。

そうした米国で先日、キリスト教の教会が興味深い決断をしたと話題を呼んでいます。ケンタッキー州ルイスヴィルにある、ダグラス・ブルバード・クリスチャン教会では、教会に通う信者の投票で「同性間の結婚が認められるまで、異性同士の結婚も今後証明書を発行しない」という取り決めを作ったのです。

米国には日本のような戸籍制度がありません。したがって結婚も、区役所などに婚姻届を出すのではなく、教会などが「結婚証明署」を発行することでオフィシャルとなります。

同教会は、数年前に「人種、性別、年齢、または性愛など、いかなる違いがあろうとも、すべての人々を受け入れる」と宣言し、その思想のもとに教会を運営してきました。今回の取り決めも、それに則った考えというわけです。

キリスト教でありながら同性愛をサポートする。画期的なその考え方は、保守的なキリスト教徒からは批判を受けているようですが、最近発表された米国の世論調査では、同性婚を「認める」が「認めない」を初めて上回るなど、徐々に世の中も変わってきています。こうしたことを考えると、今回の教会の決断も、起こるべくして起こったことなのかもしれませんね。

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