結婚17,885日×1ドル札を妻に贈る、49回目の結婚記念日にサプライズ。

2011/04/20 15:00 Written by Narinari.com編集部

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長年幸せな結婚生活を共にしてきたパートナーへの愛情表現方法は、夫婦の数だけあると言っても過言ではない。米国に住む男性は先日、49回目の結婚記念日を迎えるにあたり、今まで支えてきてくれた妻に感謝の気持ちを込めてプレゼントを贈った。それは、結婚した日から現在まで共に人生を歩んでくれた“報酬”として、妻に1日1ドル(約83円)、49年分の合計1万7,885ドル(約150万円/49年×365日)という現金のプレゼント。1ドル札の札束で渡された妻は、その重みをしっかりと噛みしめたようだ。

このプレゼントを考えたのは、ノースカロライナ州ローリーで暮らすアーサー・シューマッカーさん。現在70歳のアーサーさんと68歳の妻ジャネットさんの出会いは、青春真っ只中の10代半ばまで遡る。1958年、当時「酒場で騒ぎ、喧嘩をよくする」(米地方紙シャルロット・オブザーバーより)と評判で、近所から不良と呼ばれる少年だったアーサーさん。そんな彼に、15歳のジャネットさんが一目惚れをしたそうだ。ジャネットさんは当時の自分を「バカな女の子はそういう男の子が好きでしょ」と振り返っているが、そのコメントにアーサーさんは「君はかわいくて利口な人だったよ」としっかりフォローしている。

やがてアーサーさんは軍に入隊し、ドイツなど外国を転々とする日々に。その間ジャネットさんは辛抱強く彼を待ち続け、1962年に1か月の休暇が取れたアーサーさんに、19歳のジャネットさんは自分に会いに来るよう飛行機のチケットを送ったという。これを喜んだアーサーさんは、その休暇中に「結婚しようって言ったんだ」とプロポーズ。2人は無事に結ばれることとなった。

それから3人の子どもが生まれ、大型スーパーの店員として米国内の転勤を繰り返しながらも幸せな日々を送った夫妻。しかし、定年を迎え、老後の生活を送っていた2人に大きな事件が起きた。2005年、アーサーさんが唾液腺がんに侵されていることが分かり、医師から余命2年の診断が下されたのだ。

それでも放射線治療や「5回の手術」(米放送局ABCより)などに耐えて諦めなかったアーサーさんは、宣告から6年経った今でも元気だという。病院に行くたびに現在のアーサーさんを見る医師は驚くそうだが、彼はジャネットさんの存在が大きな支えになっているのを感じている。

そんなジャネットさんにこれまでの感謝の気持ちを伝えようと、アーサーさんが考えたのが今回のプレゼント。その報酬は1日1ドルで換算され、49回目の結婚記念日までの日数分となる1万7,885ドルを渡すことにした。しかも、これをすべて1ドル札で渡そうとしたから準備も大変だったそう。

4月7日、娘の運転でジャネットさんと一緒にドライブをしている最中、アーサーさんは準備を決行。誰にもこの計画は話してなかったようで、3つの銀行をハシゴさせられた娘から「何してるの?」と聞かれても、彼は「すぐ戻るから気にするな」とはぐらかしていたという。

そして迎えた4月12日、椅子に座ったジャネットさんに目をつぶるよう指示した上で、銀行からかき集めた1ドル札の山を妻の膝の上に乗せプレゼント。「君は僕の大切な人だよ、ハニー」(シャルロット・オブザーバー紙より)と言った夫に、ジャネットさんは1ドル札の山を数えると一言「返さなくてもいいのよね?」と切り返したという。

昨年にも1度、余命1か月の診断を下されたというアーサーさんにとっては、今のうちに出来る限りの感謝を伝えたかったというのが本音なのかもしれない。ただ1つ、アーサーさんは「うるう年の分を入れ忘れちゃった」と話しており、足りない分は50回目となる来年の記念日に“還元”が持ち越されそうだ。

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