米に不法入国した少年、英語も話せず家もない状態から猛勉強で名門大学へ。

2011/04/11 14:08 Written by Narinari.com編集部

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「諦めなければ可能性はゼロではない」という言葉を、誰でも1度は耳にしているかもしれない。襲ってきた大きな困難に立ち向かうとき、心が折れそうになっても諦めるなという意味だが、米国のある少年も、困難に直面しても決して諦めず、ついには大きな目標を達成したそうだ。

米放送局ABC系列WWSBによると、この少年は現在フロリダ州ブレーデントンに住んでいるメキシコ出身の高校生ダニエル・リアル・ゲレロくん。母国語のスペイン語に加え、英語とフランス語もマスターし、高校の成績もトップというゲレロくんは、この春に名門ハーバード大学やスタンフォード大学などの合格切符を次々と手にした。それだけ聞けばよくある秀才の話。しかし、ゲレロくんがこの合格切符を掴むまでには、大きな困難を乗り越えなければならなかった。

12歳のとき、彼は母親に連れられてメキシコから米国に不法入国したが、当初は定住する家がなかなか見つからない状況だった。そして行きついたフロリダ州で、彼は地区教育委員会のサポートを受けられることになったのだが、まだ英語が話せない中で同い年の少年たちと同じ勉強をいきなり始めるのはさすがに難しい。そこで教育委員会は「家がない生徒や親からの虐待で苦しむ生徒向けの特別プログラム」を受けられる学校で彼を受け入れ、ゲレロくんはここで1から米国での勉強を始めた。

生活弱者を支援する法律事務所の助けもあり、合法的に居住する家も見つけられたゲレロくんは、周囲のサポートに感謝している。そして「学校に必要な文房具や食べ物でさえ、用意するのがとても難しかった」という恵まれない環境の中でも彼は猛勉強。家もなく、英語も話せなかった状況から約6年後、18歳となった今年にその努力は結実し、大学受験の結果として表れた。

フロリダやニューヨークの大学など5つに次々と合格を果たすと、4月上旬には名門スタンフォード大学とハーバード大学からも合格のメールが届き、スタンフォード大学では奨学金も受けられるという。将来は「医師や、外国語を使う仕事、国際関係の仕事に就きたい」と話すゲレロくんは、スタンフォード大学かハーバード大学の2つに進路を絞り、両校を訪問した上で入学先を決めるそうだ。

困難な環境を乗り越え、いま、輝かしい未来への1歩を踏み出そうとしているゲレロくん。彼は「未来は空白の1ページ」と話し、一生懸命頑張って先を見続けることの大切さを説いている。

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