新婚旅行先で次々と天災に遭遇した夫婦、山火事・サイクロン・大地震など。

2011/04/07 19:45 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


昨年11月に結婚し、4か月にわたり世界を旅する新婚旅行に出発したスウェーデン人夫婦がいる。優雅で楽しい思い出を――となるはずだったこの新婚旅行は、当初思い描いていたものとは大きく異なり、訪れた先々で世界各地の天災に遭遇する不運に見舞われたそうだ。  

米ニュースサイトAOLトラベルやスウェーデン紙エクスプレッセンなどによると、この夫婦はストックホルムに住む38歳のステファン・スヴァンストロームさんと32歳の妻エリカさん。2007年に出会った2人は昨年11月27日に結婚し、この間に生後10か月になる娘も生まれ、結婚前から新婚旅行のプランを練っていたという。夫のステファンさんは、エコノミストの仕事を辞めて「相当な退職金」を手にし、また、キャリアウーマンのエリカさんも産休を利用していたこともあり、結局4か月かけて米国など16か国を巡る新婚旅行のコースを計画した。

最初に用意したのはミュンヘン経由シンガポール行きと、帰りに使うメルボルン発北京経由ストックホルム行きの格安航空のチケットのみ。あとは行く先々で気ままに進路を決め、観光やスキューバーダイビングなどを存分に楽しむつもりだったという。こうして結婚から1週間後、たくさんの思い出を作るべく、親子3人はストックホルムを出発した。

ところが、最初の経由地ミュンヘンでいきなりハプニングが発生。昨年は12月上旬からすでに猛威を振っていた大寒波がミュンヘンにも到来し、シンガポール行きの飛行機が欠航してしまった。出足から自然に行く手を阻まれた3人。しかしこのときは1日ずれただけでシンガポールへ向かうことができ、その後しばらくは順調に旅も消化、ステファンさんも「タイでは非常に素晴らしい1か月を過ごした」と振り返っている。

インドネシアのバリ島では、モンスーンによる長雨で「何日かゆっくり読書」(エクスプレッセン紙より)に耽ったという夫妻。そんな穏やかな時間の後は、驚きの出来事の連続が待っていた。

次に向かったオーストラリアでは、パースで山火事に遭遇してしまい「かろうじて避難」(AOLトラベルより)。さらにケアンズではサイクロンの直撃を受け、「ホテルからショッピングセンターへ避難」。その数週間後には、ブリスベーンの友人宅を訪ねた際に洪水に見舞われた。

こうしてアクシデントが続いたオーストラリアを抜け、隣国のニュージーランドを訪れると、今度はクライストチャーチに向かう空港にいるときに、多くの日本人も犠牲になった大地震が発生。このときは幸い予定を変更するだけで難を逃れた夫妻だったが、次に訪れたのは日本だった。

3月11日、親子3人は昼食を食べていた東京・浅草で震災に遭遇。このとき、多くの日本人が路上で混乱している様子をエリカさんがリポートする動画も撮影している。数々の天災に巻き込まれた夫妻は、それから中国を巡り、現在はスウェーデンの自宅に戻っているという。

訪れた先でさまざまな災害に遭遇しながらも、3人無事で家に帰ることができたのは何より。今回の経験でエリカさんは、危機の連続が家族の結びつきを強めたと実感しているそうだ。また、ステファンさんは「こうした災害の犠牲になった人がいると思うと、私たちは生きているのだから、とても幸運なことですね」と、命の大切さを噛みしめている。ちなみに夫妻は、新婚旅行で大変な思いをしてしまったものの、これからも旅行に行きたいと考えているそうだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.