「亡き妻を追悼」巨大広告の意味、実は病院への怒りの告発だった。

2011/04/07 05:37 Written by Narinari.com編集部

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中国では4月5日、日本のお盆のようなものにあたる清明節を迎えた。清明節には祖先の墓参りなどをして死者を弔う風習があるのだが、この時期に合わせて亡き妻を追悼しようとした男性の大胆な行動がネットなどで注目を集めている。それは道路脇の巨大な広告看板に、妻へ贈る追悼メッセージを掲載するというものだった。

中国紙山東商報などによると、この話題が注目されるようになったのは3月下旬、「清明節、愛妻を悼む」という簡易ブログへの書き込みがきっかけ。書き込んだ男性は「四川省成都市の高速道路に、妻を悼む大型広告を立てました」とつづり、写真には高速道路を見下ろすように立てられた巨大な広告看板が撮し出されていた。

横18メートル、縦6.6メートルもあるこの看板は、右側に妻のウエディングドレス姿の写真。左側には「愛妻を悼む」の文字とともに、「2011年2月18日、華西医院附二院で分娩手術の際に死去しました」とも記されていた。  

物議を醸したのは、記載されたこれらの文字の中で病院名の「華西医院附二院」だけが明らかに目立つように記されていた点。見方によっては病院の医療過誤を指摘しているようにもとれる雰囲気で、ネットでは華西医院附二院を糾弾する声が多く上がったのだ。

男性の巨大広告はすぐに政府関係部門から目を付けられ、その日のうちに撤去。広告掲載から撤去までの時間はわずか8時間という短さだったが、ネットで反響を呼んだことから翌日には地元メディアが男性に直撃し、男性も「これは広告ではない、告発だ」と説明。「みんなに真相を知ってもらいたかった」と広告を掲げた意図を語り、帝王切開手術を受けた際に大量出血で妻を亡くした心の痛みから15万元(約200万円)を投じてこの広告を掲載したのだという。

なお、病院側は地元紙に対し「その問題はすでに終わったことです。お話する必要はありません」とコメントを拒否。事の経緯について詳しくは語られていない。

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