「平和活動に参加したい」米国の84歳男性が2年間のアフリカ行きを志願。

2011/04/04 17:36 Written by Narinari.com編集部

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物事が思い通りに行かず、大なり小なり何かを諦めた経験を持つ人は多いかもしれない。その判断が良かったのかどうかは個々が結果をどう受け止めるかにもよるが、少なくとも後悔に繋がるような終わり方を望んでいる人はいないだろう。米国に、若かりし頃に断念したことを諦めきれず、ずっと「やりたい」との思いを抱き続けてきた84歳の男性がいた。男性が諦めたのは平和活動への参加。しかし84歳となり、いろいろな制約がなくなったいま、積年の思いを叶えるべく平和活動部隊に志願し、このほど2年間赴任する医療スタッフとしてボツワナへと出発した。

米放送局ABC系列KATUによると、この男性はオレゴン州ポートランドで暮らす84歳のジェームズ・グロンセスさん。彼は3月31日、平均年齢が28歳前後というオレゴン州の246人の隊員と共に、飛行機で15時間かかるボツワナへ向け出発した。「聴力が衰えた以外、病気はないよ」(米放送局NBC系列KGWより)というグロンセスさんではあるが、周囲の人たちはやはりアフリカ行きに反対。しかし彼は「これは私のしたいことなんだ」と話し、自分の気持ちに素直に従って部隊参加を決めたという。

そもそもグロンセスさんが海外での活動に参加したいと初めて思ったのは、いまから約50年前の1960年のこと。しかしこの年に結婚したばかりの妻から反対され、考えを改めた彼は、以後しばらくこの気持ちを封印せざるを得なかった。

それからずっと「平和活動に参加したい」との思いは消えず、気が付けば80代に突入。そして、ようやく訪れたこの機会にアフリカ行きを決めた彼は、「気持ちは若いよ、年なんか取ってないさ」と、まだまだ“現役”で、老後を迎えるのは時期尚早と考えているようだ。

ボツワナに到着すると、3か月間は現地の言葉を学ぶために地元住民の家で生活をするという。現地の家は米国での暮らしとは大きな違いもあるだろうが、グロンセスさんはそうした違いも楽しみなようで、「彼らは私みたいな年寄りに会ったことないだろうから、素晴らしいものになるよ」と、新しい出会いに期待を膨らませている。84歳にして英語教師のほかにエイズ患者の治療という仕事を担う彼の活動が、これから現地の大きな力になっていくと願いたいものだ。

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