視力を失った盲導犬、使命終えるも新たな盲導犬と飼い主と共に仲良く生活。

2011/03/26 14:21 Written by Narinari.com編集部

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厳しい訓練を受け、目が不自由な人の生活をサポートする盲導犬。彼らの力に助けられている人ならば、気持ちを通い合わせたパートナーとして、いつまでもそばにいて欲しい存在だろう。しかし、彼らは盲導犬の前に1匹の犬。人間よりも早いペースで衰えたり、体の問題が起きたりするのは仕方のないところだ。英国には6年間にわたり飼い主の力となりながら、自らも白内障を患って両眼を摘出、目が見えなくなった盲導犬がいる。これには飼い主夫婦も大いに悲しんだというが、ほどなくして新たな盲導犬がやってくるとすぐに打ち解け、今では飼い主と2匹一緒に仲良く過ごしているそうだ。

英紙デイリー・メールによると、この犬は英南東部ストウマーケットで暮らす60歳の男性、グラハム・ワスプさんが所有する8歳のエドワード。ワスプさんは若い頃に左右の目に問題を抱え視力が低下し、現在では「片方の目にわずかに視力がある」程度だという。視覚障害者として認定されながらも、盲導犬の世話を受けることなく生活してきたワスプさんだったが、そんな彼のもとに6年前やってきたのがエドワードだった。  

以来、どこへ行くにもワスプさんの横にぴったりと付き、さまざまな場所へと導いていったエドワード。ワスプさんの妻によれば、近所の子どもたちからも愛される存在だったそうだ。

こうしてワスプさんの“目”となり日々奮闘していたエドワードだったが、昨年、彼自身の目にも問題が起きていることが発覚した。白内障を患ったエドワードに下されたのは、眼球を摘出しなければならないとの診断。この話を知った夜、ワスプさん夫婦は「2人とも大泣きした」ほどショックを受けたという。そしてエドワードは、間もなくして視力を完全に失った。

悲しくも望まざるかたちで、盲導犬としての使命を終えることになったエドワード。彼の力を頼りにしていたワスプさんはもとより、突然仕事を失ったエドワードの今後に不安を覚えた夫婦だったが、その点は想像していたよりもずっと早く解決したという。

エドワードに続く新たな盲導犬が来るのを待っていたワスプさんに、待望の知らせが舞い込んだのは昨年11月のこと。家にやって来たのは、2歳メスのオパールだった。2匹はすぐに打ち解け、妻曰く「仲良し」に。今ではワスプさんは両側にエドワードとオパールを従えて外出し、2匹とも近所の人や子どもたちにも可愛がられ、大人気になっているそうだ。

飼い主だけでなく、先輩の“目”となる使命も背負ってやって来たオパールをワスプさんは褒めている。不安に包まれた飼い主と“元”盲導犬に希望の光を与えたオパールは、その名の通り宝石のような存在なのかもしれない。

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