街に貼り出された“謎の小説”、1ページずつ違う場所に掲示される。

2011/03/08 13:13 Written by Narinari.com編集部

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米ニューヨークの街中に立つ街灯に、ある日突然貼られた小説の1ページ。書かれた文章を読み進めていくと、最後に次のページが貼られている大まかな場所が記載されており、発見できれば小説の続きを読むことができる――。そんな作者もストーリーの全容もよくわからない“謎の小説”が、ちょっとした話題を呼んでいるという。

米紙ニューヨーク・ポストによると、この小説はイーストビレッジの街灯に貼り出されているもの。「Holy Crap」というタイトルのストーリーは、これまで「7ページ」と「8ページ」と書かれた紙が発見されているものの、1〜6ページはまだ発見に至っていないそうだ。

同紙や米ブログメディアGothamistは、7th Streetの街灯に貼られている7ページ目の内容や写真を紹介。そのストーリーは「親になったばかりの語り手が不安を表している」ような内容で、赤ちゃんを出産した直後の母親が「記憶にない」病院で、落ち着かない不安な心情に陥っている様子が描かれている。

7ページ目の最後には、「8ページ目は8th Streetに」と次のページを貼りだした場所が記載されており、続きは実際に移動しなければ読むことはできない。多少ロールプレイング的な要素も加えられた小説なのだが、市民の間ではさまざまな反応を呼んでいるという。

あるバーテンダーの男性は、この表現方法は「本当にクールなアイデアだと思うよ」と絶賛。「この近辺を知るには素晴らしい方法だし、ほかの人たちとも会えるじゃないか」と、歩いて続きを読んでいくという手法が気に入っているようだ。

一方で、8ページ目が貼られた街灯近くにピザ店を構える経営者は、「正直言って、このアイデアは好きじゃない」と否定的。彼の場合は、無秩序に貼られるポスターをあまり好ましく思っていないそうで、小説を公開するなら「インターネットがあるのに、何で使わないんだ?」と手厳しい。Gothamistは見つからないページがあるのは、こうした意見を持つ人が撤去したり、風雨によってはがれ落ちたり、通行人が持ち去ったりといった可能性を指摘している。

それでも、この小説のストーリーを純粋に楽しんで読んでいる人もしっかりいるようで、タクシーの運転手をしている男性は、「クリエイティブで本当に面白い」(ニューヨーク・ポスト紙より)とすっかりハマっている一人。ただ、次のページがいつ現れるのか分からない上に、いつ終わりを迎えるのかも全く予想がつかないだけに、「全部を読むには長い時間かかるかもしれないね」とこぼしている。

複数の地元メディアが取り上げたことで、多くの人が知ることになった“謎の小説”。果たして続きが貼られるのはいつなのか、そして、無事に完結の日を迎えることはできるのだろうか。

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