自腹でラジコン用滑走路建設、中国のマニアが「思い切り飛ばしたい」。

2011/02/28 17:45 Written by Narinari.com編集部

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子どもだけでなく、大人にも愛されるホビーのラジコン。しかし、愛好者が抱える悩みのひとつに、どこで楽しむかという場所の問題がある。使用が禁止されていない大きな公園や広場、野原などがあれば良いが、普通の住宅街に住んでいる限り、人に迷惑をかけずに思い切り楽しめる場所を探すのはなかなか大変だ。中国には、そんな遊ぶ場所に悩む愛好者がうらやむような施設を、私財を投じて“建設”した男がいる。

中国紙重慶晩報によると、この施設は重慶市江津区双福鎮三界村の一角にあるラジコン専用の滑走路。総面積6,600坪(約2.2ヘクタール)の敷地に建設されたこの滑走路は、長さ120メートル、横幅25メートルと立派なもので、コンクリートで舗装されており、周囲を囲む杭と杭の間は金網で守られている。滑走路以外にも駐機場や観覧場所などを設けた、かなり本格的な施設だ。

滑走路を建設したのは、重慶市内で茶楼を経営する趙忠強さん。趙さんは大のラジコン好きだが、彼のラジコン歴は非常に浅い。昨年、友人と遊びに行った先でラジコンのグライダーを見たことがきっかけで飛行機のラジコンにハマり、以来、10数機を壊してしまったものの、徐々に操縦感覚や技術を養ってきているという。そして上手くなってくるとともに、「もっと思いきり飛ばしてみたい」との欲求が強まり、今回の滑走路建設に至ったそうだ。

この滑走路は現在のところ誰でも利用ができるが、趙さんは利用料金を徴収していない。土地代やその他の経費を含めて趙さんの出費はかさむ一方だが、それでも彼は重慶のラジコン愛好者に滑走路を開放し、ラジコン文化が重慶に浸透することを第一の目的にしている。競技会など特別なイベントがあるとき以外は市民に無料開放して、多くの人にラジコンの魅力を知ってもらいたいとのことだ。

趙さんは「私には年間20万元(約250万円)を使ってゴルフを楽しむ余裕はありません。でも、2万元でラジコンを遊ぶほうが、私にはもっと価値があるんです」と語っている。ラジコンで遊ぶようになってからというもの、身体が鍛えられたり、仕事のストレス解消に役立ったりもしているそうだ。

中でも趙さんが嬉しかったのは、ラジコンを本格的に始めたことで交友関係が大きく広がり、仲間がたくさんできたこと。地元のラジコン愛好者の中には裕福な人も多いそうで、もしかしたらラジコンが本業に良い影響を与えてくれることがあるのかもしれない。

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