三つ星シェフが“虫ピザ”考案、子ども向け病院食の改善依頼を受け。

2011/02/09 11:38 Written by Narinari.com編集部

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病院の食事は栄養のバランスが細かく考えられている健康食ではあるが、普段の食事に比べるとやや物足りなさを感じるのは仕方のないところ。それだけに患者たち、特に子どもたちにとっては、好きな食事ができないのは辛い状況だろう。そうした子どもの病院食を改善するために、英国の著名三つ星シェフが立ち上がった。ある病院の依頼で彼が開発したのは、子どもなら誰もが喜びそうなピザ。ただし、このシェフが作り出したのは、たんぱく質を豊富に含んでいる“虫ピザ”だった。

このピザを考案したのは、ミシュランガイドで三つ星と認定されたレストラン「ファット・ダック」のオーナーシェフ、ヘストン・ブルメンタールさん。1月31日放送の「世界まる見え!テレビ特捜部」(日本テレビ系)をはじめ、日本のテレビ番組でもたびたび紹介されているので、名前を聞いてピンと来た人もいるかもしれない。

彼は大人気レストランを経営する敏腕ぶりを発揮する一方、常識に捉われない独創的な料理を作り出すことで知られるカリスマシェフ。彼は2年前、英放送局チャンネル4の番組でリバプールのアルダー・ヘイ病院を訪問した。その際、この「欧州最大規模の子ども病院」(英紙デイリー・メールより)から、子どもに提供する食事の改善に向けて協力を求められたという。その結果時間はかかったが、子どもたちが大好きなピザ、それも独創的なアイデアの持ち主ならではの工夫を凝らしたピザを考案した。

「厚めの生地にベイクドビーンズとポテトワッフル、その上にトマトとドライチーズ」(英紙メトロより)のピザをベースに、豊富にたんぱく質が取れるようにと、“ミールワーム”という甲虫の幼虫をフライにしたものをトッピング。ブルメンタールさんは過去にも虫を使った創作料理を手がけたことがあるため、今回のアイデアにも自信満々で、「病院食は健康的なだけでなく、高揚感や楽しさが必要」(デイリー・メール紙より)と、子どもたちが笑顔を見せると確信していた様子だ。

そして先日、ついにこのピザは実際に子どもたちへ出されたのだが、1人を除いて大好評だったそう。万人が好むとは言い難い虫を使った大胆な料理でも、大勢に喜んで食べられるものに仕上げるあたりは、さすが三つ星シェフといったところなのかもしれない。

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