愛する息子へ物語を自ら執筆、既存の児童書への失望から夜中に作家活動。

2011/01/21 09:58 Written by Narinari.com編集部

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小さな子を持つ親なら、絵本を読んで聞かせる機会も少なくないだろう。英国のある父親も、子どもに絵本を読み聞かせていたのだが、以前からその内容に満足できずにいた。そこで、良い絵本がないなら自分で作ってしまおうと決意。息子を主人公にしたストーリーを完成させると、出版社巡りの末に実際に出版までこぎ着けるなど、すっかり作家活動にハマっている。

英紙デイリー・メールによると、この父親はスコットランド・グラスゴー郊外のイーグルシャムで暮らす32歳のスコット・マッキンタイアさん。彼は以前から3歳の息子ジェイクくんに読んであげる本の中身に不満を抱いていた。

ある日、妻カレンさんがジェイクくんのために図書館から1冊の本を借りてきたそう。「ジェイクは、1年のうち半分は私の膝に乗って話を聞いている」(英紙イブニング・タイムズより)と話すスコットさんは、この本も彼に読み聞かせていた。ところが、ジェイクくんが反応を示すよりも前に、スコットさんのほうが「ただのゴミだ」と、話の内容に嫌気が差したという。

そこで昼は金細工職人として働く傍ら、毎日夜中の2時に起きては自作の物語の執筆作業を始めた。すべては愛するジェイクくんのため。「どんな男の子でもスーパーヒーローになるのを夢見るもの」と考えたスコットさんは、ジェイクくんを主人公にした冒険活劇の構想を練り上げていった。

趣味で曲作りもしているスコットさんにとって、物語を考えるのも似たようなものだったという。「アイデアが頭にポンと浮かぶと、すぐにベッドから出るんだよ」と話すスコットさんは、初めての執筆作業にも関わらず2週間足らずでほぼ話の骨格を書き上げ、さらに2週間の練り直しを経てストーリーが完成。物語のタイトルは「Jake and Dixie」。魔法使いのヒーローであるジェイクくんがペットの猫ディクシーを連れ、悪い敵のリンゴの木と大きなクモをやっつけるという話だ。そして友人のイラストレーターに協力をしてもらい、オリジナルの絵本ができあがった。

1冊の本となった「Jake and Dixie」にスコットさんは大満足。すると、ジェイクくんのために書いたこの物語を、ほかの子どもたちにも読ませたいと思うようになったそうだ。

そこで友人たちにも好評だったという自信を携えて出版社巡りを始めたが、現実はなかなか厳しく、出版拒否という「初めて書いた作家特有」(イブニング・タイムズ紙より)の困難の連続。しかし、インターネットで出版社を検索し続けた粘りが実を結び、昨年9月に念願の本の出版にこぎ着けた。現在までのところ、2,000部を出版して「半分が売れた」(デイリー・メール紙)状態だという。

会心の作品はジェイクくんが通い始めた保育園にも寄贈。今では作家生活もすっかり板についたようで、すでにジェイクくんが「宇宙飛行士と探検家」になった2つの話も書き上げているそうだ。スコットさんは「私の想像力がほかの人たちに共有される」と物語を書く喜びに魅せられ、現在1歳半の娘エイミーちゃんも登場させた話も「書かなければならない」(イブニング・タイムズ紙より)と、さらなる執筆活動に意欲を燃やしている。

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