空気の汚れ具合わかるシャツ、センサー感知で“臓器柄”の色が変化。

2011/01/20 18:09 Written by Narinari.com編集部

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どの国においても、都市部や工業地帯などに必ず存在する大気汚染の問題。近年は環境意識の高まりを受け、汚染物質の排出を抑制するさまざまな施策が取られるようになったものの、完全にゼロにするのは難しく、人々は多かれ少なかれ汚れた空気を吸って生活をしている。しかし、汚染の状況は目に見えるわけではないため、どの程度汚い空気を体内に入れているのかは気になるところだが、米国の2人のデザイナーは、そんな空気の汚れ具合がわかるシャツを制作。自分のいる場所の空気が汚れているとセンサーが反応し、肺や心臓の形をした部分に静脈のような青い線が浮き上がって知らせてくれるという。

米紙ニューヨーク・デイリーニュースによると、このシャツを制作したのは、デザイナーで大学院生のニエン・ラムさんとスー・ンゴさん。ニューヨークの街中で生活する2人にとって大気汚染は身近な関心事だったようで、目に見えない汚染物質がどの程度空気中に漂っているのかを「見える形にしたかった」とスーさんは制作の動機を語っている。

シャツは汚れた空気の場所にいると、青い静脈部分が浮き上がってくる“臓器柄”が特徴。その仕組みは一酸化炭素を検知する小さなセンサーが付いており、感知すると“臓器柄”部分に埋め込まれたワイヤーに電気が流れて温かくなる。“臓器柄”部分の生地は熱によって色が変化する素材が使われているため、空気が汚れている場所ではワイヤーの埋め込まれた箇所がピンクから青に変わるという仕掛けだ。

2人がそれぞれ開設している公式サイトでは、実際に街中でこのシャツを着て変化する様子を撮影した動画も公開。“心臓柄”のシャツを着て1人道路脇に立っているニエンさんの映像では、彼の横を多くの車が通り過ぎていくと、柄の中にいくつもの青い線が徐々に浮かび上がっていくのが分かる。わずか数秒で色が変化しているので、自分がいる場所の汚染状況の変化も容易に理解することができそうだ。

もともとは街中の空気の汚れに着目して制作したシャツだったが、2人の周囲ではさらに意外な効果もあった。喫煙している大学院の友人の中には、2人のシャツを見て喫煙をためらい、禁煙に踏み切った人もいるそうだ。

制作費は60ドル(約5,000円)ほどだが、予想以上の効果に自信を深めた2人は量産化を検討中とも。このほかにアルコール濃度を検知すると「肝臓の色が変わる」シャツの制作も進めているそうで、こちらの完成も楽しみなところだ。

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