米国で話題呼ぶイェール大学教授の「中国人母のスパルタ子育て教本」。

2011/01/20 16:41 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


イェール大学で法律学を教えるエイミー・チュア教授の“子育て本”が先日米国で出版されましたが、その内容が話題を呼んでいます。

チュア教授の著書「Battle Hymn of the Tiger Mother」は、彼女が2人の娘を育てた経験をまとめたもの。中国系である彼女が実行したのは「中国人の子育て法」で、これが「西洋人の子育て法」とはどのように異なるのか、そしてどのように優れているかを説明した内容です。

彼女はまず、中国と西洋では「“子どもの成長において大切なもの”に違いがある」と指摘しています。中国人にとってのそれは「達成」であり、西洋人にとってのそれは「自尊心」。西洋ではタブーとされている「子どもの自尊心を傷つけること」も、中国人の母には大した問題ではない、なぜなら子どもの心は親が恐れているほど弱くない、というのが彼女の持論です。

また彼女は、西洋の子どもは自由の認められた個人として扱われるが、中国の文化では子どもは「親に対する恩」があり、親の課した物事は必ず守る義務があるとしています。実際チュア教授は2人の娘に小さな頃からいろいろな決まりを守らせており、それには「ピアノとバイオリンを習うこと」「ピアノとバイオリンを拒否しないこと」といったほか、「友だちと遊んではいけない」「学芸会に参加してはいけない」「演劇と体育以外の科目はオールAを取ること」という厳しいものもあったそうです。

このスパルタ的な子育て哲学には「練習を繰り返すことで完璧を目指す」「叱られて、傷ついて子どもは強くなる」といった日本人の考え方にも通じるものがたくさんあります。米国人の目にはこうした点が「厳しすぎる」と映る一方で、甘やかされた子どもが増えている現状に危機感を抱く声も少なくありません。そのため、この本に対する評価や意見は大きく割れています。

もちろん子どもの教育に対する考え方や方針は人それぞれ、国や文化の背景などによってさまざまで、中国と西洋のどちらが正しく、優劣があるということではありません。しかし、チュア教授の本を多くのメディアが取り上げ、米国人の注目を集めているのは、子育てに真剣に取り組んでいる親が多いことの現れとは言えそうです。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.