空港のマスコット猫に世界から葉書、差出人の正体は不明のまま。

2011/01/16 09:40 Written by Narinari.com編集部

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英国のマンチェスター空港に、空港関係者や利用客にかわいがられている一匹の猫がいる。猫の名はオリー。野良猫として空港の中をさまよっているうちに職員らが面倒を見始めたというオリーは、いつしか空港を訪れた多くの利用客からも愛される存在となった。そんなオリーに、1年ほど前から差出人不明の葉書が届くようになったという。

オリーがマンチェスター空港で生活するようになったのは2007年から。英紙マンチェスター・イブニングニュースの当時の報道によると、左耳を失い、痩せた体で弱々しい姿だったオリーは、運良く職員や客室乗務員らの目に留まり、世話を受けるようになったそうだ。職員らはお金を出し合ってオリーのための小屋を買い、そこから空港内での生活が始まった。

関係者の誰もが「特別な存在」と語り、皆に受け入れられたオリーの暮らしぶりは“野良”の生活から一変。多くの関係者が持ち寄る食べ物でお腹は満たされるようになり、不自由のない環境で暮らすようになった。その存在は空港の利用客の間にも広がり、Facebookにはオリーのファンが集うページも作られているほどだ。

ところが2008年にちょっとした事件が起きる。空港の責任者がオリーを別の場所へ移そうとしたところ、これに関係者はもちろんのこと、ニュージーランドやクウェートといった外国のファンからも反対の声が寄せられ、方針を撤回することに。結果、オリーには空港への“永住権”が与えられ、以後は平穏な日々が続いている。

こうしてマンチェスター空港のマスコット的な存在として、幸せに暮らすようになったオリー。そんなオリーに葉書が届くようになったのは1年ほど前からだ。マンチェスター空港に「Ginger Cat」という宛名で、ある日エジプトから葉書が届いたそう。そこには現地の様子がつづられていたほか、「雪に覆われた中でも、あなたが暖かく過ごせますように」と記されていた。それからというもの、ローマやセルビアのベオグラードから立て続けにオリー宛ての葉書が届き、直近ではイタリアのベネチアから投函されたクリスマスカードが届いたという。

空港の責任者は、定期的に届くようになったオリー宛ての葉書について、誰が送っているのかは「全く見当がつかない」という。葉書には電話番号が書かれており、マンチェスター・イブニングニュース紙がその番号に電話をかけてみたそうだが、残念ながら応答はなく、依然として送り主の正体は判明していない。

空港のスポークスマンは、葉書の送り主を「ちょっとしたミステリー」と楽しみながらも、空港を訪れた経験のある誰かだろうとの見解を示している。ただ、2万人の職員が働き、毎年1,900万人もの利用者がいる空港だけに、送り主と思しき人物を特定するのは難しそうだ。

関係者の間では、定期的に海外へ出る「パイロットか客室乗務員の誰かではないか」との説も挙がっているそうだが、変に詮索するのは野暮というもの。多くの人に愛され、大事にされながら、これからもオリーの“物語”は続いていきそうだ。

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