1週間ぶりに訪れたら新居が消滅、解体業者に誤って取り壊された男性。

2011/01/13 11:56 Written by Narinari.com編集部

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ごく普通の人にしてみれば、マイホームの購入は“夢”に例えられるほど人生における大きなイベント。それだけに実際にマイホームを手に入れたとなれば、その喜びはひとしおだろう。ところが先日米国のある男性に、喜びが一瞬にして吹き飛んでしまうほどの考えられない出来事が降りかかった。昨年11月に購入したばかりの中古住宅を修理しようと訪れてみると、1週間前まで建っていたはずの家が面影もなく破壊されていたのだ。実は市から隣の家の解体依頼を受けていた業者が、誤って男性の家も一緒に壊してしまったのだという。

米紙ピッツバーグ・トリビューンレビューによると、悔しく、辛い思いをしたのは、ペンシルバニア州で暮らす40歳のアンドレ・ホールさん。現在、ピッツバーグ郊外イーストリバティにあるアパートに住んでいる彼は、恋人の女性と5人の子どもたちと一緒に生活するための新居を探し、昨年11月にピッツバーグ市内の空家を3万1,000ドル(約260万円)で購入した。5年間人が住んでいなかった家はあちこち修理する必要があり、彼はたびたび新居を訪れては自分で修繕を進めていたそうだ。

順調に作業は進み、年末年始はゆっくり休んだホールさん。ところが、年が明けた1月3日に事件は起きた。この日1週間ぶりに作業を進めようとやってきた彼の目に飛び込んだのは、形をなくした家の残骸と、解体を行っていた重機の姿。もうすぐ入居できたはずの家が知らぬ間に壊され、ホールさんはあ然としてしまった。

米放送局CBS系列KSLA-TVなどによると、今回壊された家は以前差し押さえられたことがあり、もともとは解体が予定された物件だったらしい。そこへホールさんがこの家を購入、数か月以内に家屋を修繕して住み始めることになり、市側は「11月3日に解体を中止するよう」業者へ通知したとされている。しかし、業者側が隣の家の解体に合わせてホールさんの家もこの日に解体。今回の件について業者側はメディアにコメントを出しておらず、通知の把握も含めて解体に至った経緯は不明のままだ。

市側は、今回の件は「業者側が誤って取り壊した」とコメント。一方のホールさんはピッツバーグに思い入れがあっただけに、失望の気持ちを隠しきれない。また、「彼らは新しい窓やドアを取りつけたのを見ていたはず」と、人が入居する家だったことは充分把握できたと語ったほか、建築資材が盗まれた疑惑もあるそうで、解体業者側への不信感が強いようだ。

市側の責任否定と業者の対応拒絶の状態に、ホールさんは「この責任の所在は誰にあるのか」(ピッツバーグ・トリビューンレビュー紙より)とやり場のない怒りを露わにしている。事情を知ったピッツバーグ市議会議員の1人は「市が業者と話し合う必要がある」(KSLA-TVより)とコメントを出したというが、彼はこれに「感謝する」としながらも、「助けにならない」と無力感も漂わせた。早急な業者側の対応が待たれるところだが、新居を失くしたホールさんは当面アパートに住み続けるという。

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