中国にも現れた「珍デコトラ」、警察に目を付けられ公道走行はNGに。

2010/12/29 15:29 Written by Narinari.com編集部

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派手な電飾や色彩で多くの人の目をひきつけるデコトラ(デコレーショントラック)。デコトラと言えばやはり日本のイメージが強いものの、時に米国やインド、パキスタンなどからも話題が届くこともある。そしてこのたび、中国でもデコトラの存在が確認され、多くの人の注目を集めているようだ。このデコトラ、見た目が派手なだけでなく、運転手によれば省エネ対策もバッチリの“最先端トラック”なのだという。

中国紙広州日報などによると、このデコトラを制作したのは広東省東莞市のトラック運転手・楊祖湘さん。楊さん曰く、マイケル・ジャクソンやスパイダーマン、トランスフォーマーなど、彼が強く影響を受けたスターやアニメなどをモチーフに改造し、トータルの改造費は30万元(約370万円)以上もかけたそうだ。

デコトラに変身を遂げたトラックは、もともと楊さんが5年間仕事で利用していたもの。楊さんはエンジン自体は改造していないものの、タイヤやバンパー、運転席、荷台など、ありとあらゆる場所に趣向を凝らした改造を施している。中でも目を引くのがフロント部に備え付けられた大きなドクロ。映画「ターミネーター」に登場するロボットのようにも見える(?)ドクロは運転席から操作可能で、ボタンを押すと口が開き、煙を吐き出す仕掛けも備えている。これは飲酒運転と麻薬に対する楊さんの抗議の意思を示すために付けられているもので、煙からは酒の香りが漂うというこだわりの装備だ。

また、楊さんのデコトラには、一般的なデコトラとは大きく異なる点も。それが風力発電と太陽光発電だ。車内で必要な電力の一部は、風力発電と太陽光発電でまかなえるよう設計されている。単に見た目を追求しているのではなく、飲酒運転や麻薬の撲滅といったテーマがあり、環境への配慮なども散りばめた“社会派デコトラ”と言えるかもしれない。

とは言え、苦心して完成させたデコトラは早くも中国の交通警察から目を付けられ、公道での走行はNGとなってしまった。警察曰く「過度の改造が関連規定に引っ掛かっている」とのこと。楊さんは現在、来年3月に開催される北京モーターショウにデコトラを出展するために準備・改造を進めているが、警察から「待った」をかけられた悔しさが、デコトラにどのような変化もたらすのか興味深いところだ。

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