子ども誕生の喜びをSNSにつづった母親、彼女に訪れた悲しい結末。

2010/12/13 15:00 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


SNSやTwitterでの“つぶやき”で、自身の日常を知人らに伝える人々が増えている昨今。米ワシントンDC近郊のメリーランド州ゲイターズバーグにお住まいだったシャナ・グレイトマン=スウェイアさん(35歳)も、以前からフェイスブックに自分の身の回りで起きた出来事について、短いコメントを載せるのが好きだったようです。特に愛する夫のジェフさんとの間に子どもを授かってからは、妊娠中の喜びをたくさんつづっていました。

「今夜は赤ちゃんが生まれる前の、最後の夫婦2人だけのディナー(9月4日)」
「今夜は晩ご飯と一緒にチョコレート・シェイクも飲んじゃった。だって、妊娠していられるのもあと10日ぐらいだしね(9月12日)」

米紙ワシントン・ポストに掲載されたシャナさんのフェイスブック・ページからの抜粋によると、彼女とジェフさんの間にアイザックくんが生まれたのは9月22日の晩のこと。その2日前まで仕事をしていたという彼女は、健康そのものだったようです。

しかし、出産直後から彼女の体には異変が現れ始めます。彼女からのコメントが数日間途絶え、知人らが心配し始めた頃に、ようやくシャナさんからの最新書き込みがありました。

「この週末は本当に不安でした。『周産期心筋症』という病気であることがわかり、病院で集中治療室に移されて……。でも、もう大丈夫。アイザックは本当に完璧な赤ちゃん!ダディーとおばあちゃんにお世話されています。早く私も家に帰ることが出来ますように(9月27日)」

周産期心筋症とは、妊娠中または産褥期(さんじょくき)に心不全を発症させる疾患のことで、心臓の一部が拡張し、左心室の機能が低下してしまう病気。血液を身体に送り込む力が弱まってしまうため、命にも関わることがあるのです。そのためシャナさんは、赤ちゃんが退院した後も病院生活を余儀なくされ、とても落胆していたのでした。

そしてようやく9月30日に退院出来たシャナさん。自宅で静養しながら10月の中頃まで穏やかな日々を送りました。

「幸せって、自分の夫が子どもを愛しい目で見つめている瞬間(10月6日)」

しかし、10月12日には再び病状が悪化し、19日に再入院。原因不明の心不全と戦うシャナさんに、追い打ちをかけるように医師は夫婦に「二度と妊娠はしない方が懸命でしょう」と伝えました。さらに集中治療室で不安な日々を送る彼女。

「眠れない(10月26日)」
「また家に帰れなくなってしまった。このところ具合が良かったのに、今日突然の腹痛。いやになっちゃう(10月26日)」

改善しない心臓の機能に、医師団は彼女をもっと設備の整った別の病院に転院させることにしました。

「怖いけれど、(転院は)いいことだと思うわ(10月26日)」

けれど、これがシャナさんからの最後の書き込みとなりました。10月30日の晩に彼女をお見舞いした友人からコメントには

「シャナ、あなたのために祈っているわ。愛してる。お願い目をさまして(10月31日)」

とありましたが、さらに数時間後、シャナさんのアカウントから夫ジェフさんと思われる書き込みで

「シャナは、今日正午前に息を引き取りました。家族全員が彼女のそばで見送りました(同日)」

と、彼女の死を伝えたのです。病気に不安になりながらも、つねに幸せを噛みしめていたシャナさんのコメントを読んでいた人々には、本当にショックな出来事だったに違いありません。

シャナさんの葬儀は11月3日に行われました。その朝、ジェフさんは彼女のフェイスブックに最後のお別れとして次のようにコメントしています。

「愛しているよ、僕の奥さん。愛している。愛している。100万回繰り返して、愛しているよ!!!!!」

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.