3つの村を襲った停電頻発の怪、電力会社の調査で判明した意外な原因は。

2010/12/06 16:07 Written by Narinari.com編集部

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パソコンや携帯電話の充電をはじめ、現代の生活にはなくてはならない電気。そのため、多くの人が利用できなくなるような不測の事態が起こらないよう日々点検を行い、安定供給に万全を期すのが電力会社の役目だ。それは、住民が多くない街であっても同じこと。しかし、英国の3つの村で暮らす住民は、なぜかここ最近頻発するようになった停電に悩まされていたという。そこで電力会社が調査を行ったところ、判明した原因は意外なモノだった――。

英紙デイリー・メールやサンなどによると、この一件が起きたのは英南西部デボン地方にあるクロイド、サントン、ジョージャムという3つの村。この一体は合わせて500世帯が暮らすという、牧草地帯が広がるのどかな場所だ。そこで最近、急に停電が頻繁に起こるようになり、住民たちの頭を悩ませていた。というのも、この辺りにはガスの供給も行われておらず、料理などで使う熱エネルギーも電気が必要なため、少し停電が起きるだけでもその影響はほかの街に比べ深刻。それでも一帯は普段から「よく停電がある」(英紙サンより)そうで、住民は強風の影響で停電の回数が増えていると考え、その環境を受け入れながら生活していたようだ。

ところが、そんな停電がこの数週間は特にひどい頻度で起こるようになり、さすがに住民らも困惑してしまった。「ある日曜には、8〜9時間も停電が続いた」(デイリー・メール紙より)と語った女性の住民は、普段は使わない火をおこすところから夕食の準備を強いられ、相当な苦労をした様子。また、ここのところ欧州を襲っている寒波の影響で気温が特に低いこともあり、79歳の女性は「暖かくするのも大変」と停電の不安を口にしている。

こうした声もあって、一体に電気を供給している電力会社が原因を突き止めるため調査を開始。調査員たちが周辺地域を歩き回り、ヘリコプターで空から徹底的に調べ回ること4日間、ついに停電を起こしていた犯人を“現行犯”で見つけたという。

その犯人は、体重約900キロの大きな雄牛。この雄牛がお尻に痒みを感じたとき、サントンにある高圧電線用の小さな鉄塔にお尻をこすりつけていたそうだ。

すると、小さな鉄塔は大きな牛によって揺らされてしまい電線と接触。これで自動的に電気が止まり、辺りに停電を引き起こしていたらしい。牛にとっては余程いい場所だったのか、鉄塔の一部はこすられ過ぎて磨かれた鉄が「輝いた状態」だったとも。問題が分かった調査員はその場で損傷部分に応急処置を施し、牛が近づかないよう鉄塔の周りをフェンスで囲む対策を取った。

この牛を飼っていた82歳の男性は、停電が悪天候のせいだと思っていたそうで、犯人が自分の牛だったことに驚いている。そのため、電力会社の調査員らが自分の土地に立っている鉄塔の調査に来て原因が分かったときは「かなりのショックだった」という。

なにはともあれ、停電の頻発もこれで一件落着。住民らもこれで安心して元の生活に戻ることができそうだ。

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