アルコール入りホイップに懸念、米の若者に人気で「悪影響の恐れ」の声も。

2010/12/03 14:36 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


米国でいま、ホイップクリームにアルコールを入れた商品がちょっとした議論を呼んでいる。カクテルに混ぜたり、デザートに添えたりと、大人の味わいを楽しめるのが若者にウケているのだが、その一方で、一部からは「若者に悪影響を与える恐れがある」との懸念の声も広がっているようだ。    

話題を呼んでいるのはキングフィッシュ・スピリッツ社の「CREAM」や、メープル・グローブ社の「Whipped Lightning」といった商品。どちらもスプレー缶に入っており、ヘアムースのようにシューッと中身を吹き出す仕組みだ。「CREAM」の場合、フレーバーはバニラをはじめ、キャラメル、チョコレート、オレンジなどの6種類。公式サイトではカクテルやコーヒー、デザートなどに利用して「ほかにはない感覚」が味わえるとしている。

お酒とホイップクリーム、どちらも好きな人にとっては魅力的に映るであろう「CREAM」だが、アルコール分が15%も含まれているので注意が必要だ。また、もう一方の「Whipped Lightning」もアルコール分は18.25%と、ともにビールの3〜4倍近い。現在、米国の酒屋やオンラインショップなどでは1,000円前後で販売されており、手ごろな価格もあって、これらの商品は学生を中心とした若者の間で人気を呼んでいるという。

米国では最近、カフェインを含むアルコール飲料「Four Loko」が学生などの間で人気となり、アルコール中毒で搬送される若者が急増。11月に米食品医薬品局が安全性に問題があるとの通達を出し、いくつかの州ではカフェイン入りアルコール飲料の販売が禁止となった。こうした背景が手軽にアルコールを摂取できる“代替え品”としてのアルコール入りホイップクリームの需要を後押ししており、仕入れた在庫がすぐに売り切れる酒屋もあるほどの人気となっているそうだ。

そのため、一部の専門家からは「Four Loko」同様の懸念も。ボストン公衆衛生局のアニータ・バリー博士は「1回の摂取でかなりの量のアルコール」(米紙ボストン・ヘラルドより)である点に警鐘を鳴らしている。しかしこうした意見に、販売する側のキングフィッシュ・スピリッツ社は、すべて法律に従い「責任を持って市場に出している」と、問題なしとの判断だ。

現在のところ、アルコール入りホイップクリームが関係するような事故は報告されていない。ただ、すでに懸念の声が上がり、当局も成り行きを注目している以上、この先、カフェイン入りアルコール飲料のような規制が入る可能性も否定はできなそうだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.