6歳新郎と5歳新婦が“結婚式”、小学校授業でのイベント開催に異論も。

2010/11/28 15:08 Written by Narinari.com編集部

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子どもに勉強への興味を持たせるにはどのようにすれば良いのか――。先生たちは頭を悩ませ、さまざまな工夫をしているところだろう。教材となるモノを自ら作ったり、変わったアプローチで物事を考えさせたりと、あの手この手のやり方を試す学校の話題はしばしば聞かれる。先日、英国のある小学校では、「自分の経験を文章で書く」能力などを伸ばすことを目的に、生徒が主役の“模擬結婚式”を開催した。式は実際に教会で開かれ、生徒や保護者はスーツやドレスなどのオシャレな服装で出席、新婦役の女の子はもちろんウェディングドレスを着用するという本格的なものだ。参加した人たちは一様に楽しんだようだが、教育関係者などからは「やりすぎ」との声も出ているという。

英紙デイリー・メールや英紙サンによると、このイベントを開いたのはウスターにあるワーンドン小学校。学校の関係者らは、子どもたちの「経験したことについて書く」能力を伸ばす一案として、生徒が主役の結婚式を開くアイデアを思い付いたという。対象となったのは5歳と6歳の子どもたちで、学校の教頭は「アイデアは完璧」と自画自賛。子どもたちには「式のすべてを計画させた」と、ウェディングドレスのデザインやテーブルの飾りつけなども考えさせたそうで、本来の狙い以外にも多くの意味があったようだ。

こうして、生徒たちは校外実習のような形で結婚式に参加。新郎新婦役には、生徒の間で「花嫁と花婿になって欲しい人」に選ばれた2人がなった。イベントには学校関係者や保護者はもちろん、自治体や企業なども協力。メルセデス・ベンツとドライバーが無料で貸し出され、新婦役の女の子と父親を教会まで送った。そして会場を提供した教会は、牧師も参加して式をサポート。本物さながらの雰囲気の演出に一役買った。

このほか、パーティーで用意されたケーキや食事、生徒たちが来たドレスなどの服も寄付で賄われたそう。それだけの協力を得て、学校は「招待の仕方から新婚旅行を予約する方法まで」学ばせたというほど、子どもたちに結婚式の経験をさせることに成功。参加した保護者の多くは一緒に楽しんだようだ。

参加者には概ね好評だった模擬結婚式の授業。地元州議会議員も「学校でこのような創造力を経験できるのは素晴らしい」と、ワーンドン小学校のアイデアを評価している。

しかしその一方で、教育関係者の中には「文章の書き方を教えるなら、文法、スペル、リーディングを教えるべき」「時間の無駄」との苦言も。また、宗教団体からは「結婚は大人のためのもの。子どもたちの性的な関心を膨らませようとしている」と、このイベントを危険視する意見も出ているという。

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