あご髭世界一の女性に訪れた幸せ、生き別れた息子と33年ぶり再会。

2010/11/27 14:43 Written by Narinari.com編集部

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米国に「世界一長いあご髭を持つ女性」がいるのをご存知だろうか。現在62歳のビビアン・ウィラーさんは、2000年に約28センチのあご髭がギネス記録に認定された女性。彼女には33年前、息子が父親の男性と共に行方知れずになったという悲しい過去があったのだが、この息子の捜索が実を結び、今年6月に2人は晴れて再会。喜びを分かち合っているそうだ。  

英紙デイリーメールや米情報サイトAOLニュースなどによると、ウィラーさんは母親からの影響を受けた「多毛症」により、生まれた時から頬やあごに短い毛が生えていたという。また彼女は、男女両方の生殖器を持った両性具有として生まれており、母親の希望で手術をして男性器を取り除き、女性として成長した。現実に向き合ってたくましく育つ彼女ながら、父親は娘の特徴で「恥をかかされる」(AOLニュースより)と思っていたとも。一方でこの父親は、ウィラーさんを幼い頃からショーの見せものとして出演させ、生活費の足しにしていた。

大人になってからは、サーカスのパフォーマーなどで活躍。現在は骨粗しょう症を患い、車いすでの生活を余儀なくされているが、世界の注目を集めるようになったのは1990年の母親の死がきっかけだった。それ以来、剃るのを止めたあご髭は伸び続け、2000年に「世界一長いあご髭を持つ女性」としてギネス・ワールド・レコーズに認定されている。

そんなウィラーさんには、今から30年以上前に大きな悲しみに包まれる出来事があった。1977年、彼女は「不可能」とまで言った医師の予想を覆し、ネブラスカ州で出会った男性と関係を持ち、男の子を出産する。ところが男の子が生まれてすぐ、男性は子どもを連れて姿を消してしまったのだ。せっかく授かった我が子を思い、警察の手を借りずに何年も必死で探したウィラーさんだったが、強い思いは彼女の体調へと跳ねかえり、出演していたショーの最中に倒れてしまった。彼女の精神面を心配した医師は息子への思いを諦めるよう説得したそうだ。

しかしウィラーさんの思いも虚しく、息子とされるリチャード・ローレンスさんの幼少時代は幸せとは言えなかった。父親に連れられて住まいも転々としていた彼は、幼いときに入れられた孤児院の職員に父親から受けた虐待の形跡を発見され、7歳のときに養子として別の夫婦の世話を受けるようになる。現在は結婚もして幸せを掴んだリチャードさん。忙しい生活に追われながらも、実の母親を探そうと決意した彼は今春、住んでいるカンザス州の当局へ働きかけを行ったという。

すると6週間後、当局から「ビビアン・ウィラー」という母親の名前と、多毛症などの具体的な特徴が書かれた手紙が彼の元に届いた。すぐにインターネットで検索してウィラーさんの写真を見た彼は「自分たちが似ている」(デイリー・メール紙より)として、彼女が母親と確信。彼女と繋がりがあったショーの関係者らに連絡先を聞き、電話を掛けてみては使用されてない番号に幾度となく当たったというが、ある曲芸師の男性がウィラーさんと現在も親交があったことでようやく繋がり、今年6月に2人は再会を果たした。

お互いの話を通じて、紛れもない親子と確信しているという2人。ウィラーさんは、やっと訪れた息子との再会に「私はラッキー」と喜んでいるという。間もなく米テレビ番組「Maury Show」で行ったDNA鑑定の結果が判明し、2人の関係が正式に明らかにされるそうだが、すでに2人の間には相当な信頼関係が結ばれている様子。リチャードさんは「何が起ころうとも、私は彼女と一緒にいたい」と話している。

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