“暗闇レストラン”の雇用に注目も、視覚障がい者支援団体が歓迎の声明。

2010/11/16 14:17 Written by Narinari.com編集部

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感覚を存分に研ぎ澄ませた状態で料理を楽しんでもらいたい。そんなコンセプトのいわゆる“暗闇レストラン”は、日本を含め世界各国で人気と話題を呼んでいます。この“暗闇レストラン”、米国ではいま、新しいタイプの雇用を生み出すという意味でも注目を集めているそうです。   

米通信社UPIによると、来年早々のオープンを目指しているニューヨークの“暗闇レストラン”は、すでにパリやロンドン、モスクワ、バルセロナなどで成功を収めているお店「Dans le Noir?」の新店舗。まず、照明の付いたバーで食前酒を楽しみ、その後、真っ暗闇のダイニング・エリアに案内されます。この暗闇を確保するため同店は窓がない上、ロマンチックな雰囲気を醸し出すのに必要不可欠なキャンドルも排除。さらに入店時には液晶画面などで周囲が見えてしまうとの理由で、携帯電話も取り上げられてしまうのです。

ちなみに、テーブルに着席した後は「ワイン2杯まで」と、飲酒量が決められているそう。お酒を飲み過ぎると感覚が鈍くなることに加え、暗闇の中で酔っぱらっては、安全面のリスクが高くなる……という配慮もあるのかもしれません。

米国にはすでにいくつか“暗闇レストラン”が存在していますが、このお店が注目されているのは、暗い中での立ち振る舞いが優れているとの理由で、給仕を担当するサーバーに視覚の障がいを抱える人たちを採用する点。これには視覚障がい者サポート団体「ライトハウス・インターナショナル」も、敏感になった方向感覚などを仕事に活かすことができる場を提供していると、歓迎の声明を発表しています。

また、同団体で代表を務めるマーク・アンカーマン氏は「この国では、視覚障がいを抱える70%もの人が失業状態にあり、同レストランが雇用の機会を提供してくれるのは喜ばしいこと」とコメント。さらに「見えない中で食事をするという体験が、ハンディのある人たちへの理解に繋がれば」と望んでいるそうです。

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