訳あって長髪の4歳に退園処分、「がんの子どものかつら用」認められず。

2010/11/11 20:10 Written by Narinari.com編集部

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米国に、がんの子どもにかつらを提供したいと、髪の毛を伸ばし続けていた4歳の男の子がいる。しかし、今年9月に入園したプレ幼稚園には「短髪にせよ」との規則があり、男の子はこれに違反していると、わずか7日間通っただけで退園処分になってしまった。この対応に母親は、以前確認した際には「OKをもらった」と(米ニュースサイトMSNBCより)と激怒している。

問題となっているのはニュージャージー州で暮らすレネ・サブルースキさんの息子で4歳のジャックくん。彼は男の子ながら約30センチのきれいなブロンドヘアーを伸ばしているが、これにはちゃんとした理由があった。ジャックくんの祖父は、彼が生後16か月のときにがんで他界。このときまだ一度も髪を切っていなかったジャックくんに対して、レネさんは髪を伸ばし続けようと決め、がんで苦しむ子どもたちのかつら用に提供しようと考えたそうだ。

そして4歳まで成長したジャックくんは、2011年の幼稚園入園を前に、今年9月からプレ幼稚園に通うことになった。そこで彼の長髪が問題にならないかを予め確認しようと、レネさんは以前幼稚園へ問い合わせ。その際、「幼稚園(※プレ幼稚園ではなく)に入園する前に切ればOK」(米ニュースサイトMSNBCより)との回答を得たため、彼の髪を伸ばしたまま、今年のプレ幼稚園入園時期を迎える。

ところが、そこで待っていたのはジャックくんの髪を切らなければならないという、学校からの命令だった。実はこの幼稚園では服装に関する規定が改定されたそうで、その際に「例外なく短い髪にしなければならない」(米紙ニューヨーク・ポストより)と定められたため、ジャックくんは2週間以内に髪を切ってくるようにとの通達を受けてしまう。

これにレネさんは猛反発。現在の30センチという長さは寄付できる“最低限”の長さだったからだ。ましてや一度は確認をした上、学校側に2,500ドル(約20万円)の学費を支払った段階でも、規定が改定されたことは教えてもらっていなかったとしている。結局、ジャックくんは7日間だけ通ったあと、退園処分に。学校からは学費のうち1,000ドル(約8万円)が返金されたものの、まだ対応に納得していないレネさんは小切手を現金化していないという。

レネさんは「学校のハンドブックには、学校の資産を傷つけるか、武器を所持していた場合に停学や退学になるとある。でもこれはチャリティーの行動でしょ」と怒りが収まらない。

一方の学校側はメディアの取材には応じていないものの、レネさんと話し合った際にはやはり激しい応酬があったようだ。いずれにせよ、ジャックくんは母親と学校の対立に巻き込まれた形で、気の毒な話となってしまった。

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