笑うと突然“寝入る”病に苦しむ女性、感情が刺激されるたびに倒れる。

2010/11/05 17:31 Written by Narinari.com編集部

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英国南極調査所の研究者として働く35歳のクレア・アレンさんは、1つ、深刻な悩みを抱えている。それはカタプレキシーという発作症状が頻繁に起こること。夜中に20〜30回は目が覚めてしまうほどの睡眠障害の影響で、起きているときに感情の刺激を受けると突如眠ったように体に力が入らなくなり、倒れてしまうという。多い日には1日100回程度もこの症状に見舞われるそうだ。

カタプレキシー患者の中でも「重症」(英紙メトロより)の部類に入るというアレンさん。この症状が分かったのは5年半前で、睡眠時は「1度に1時間以上眠れない」(英紙デイリー・テレグラフより)状態の睡眠障害を患った影響でカタプレキシーが起こるようになった。その症状は重く、感情的な驚きやショック、特に笑ったときには最も発作を起こしやすく、全く痛みはないものの、その場に倒れてしまう。

この状態になって倒れたアレンさんは、あたかも寝ているような状態が30秒から5分ほど続くのだが、頭は起きているままで、しっかりそのときの意識や記憶はあるらしい。一例としてメトロ紙に紹介されているのは、以前1人でデパートに出かけて倒れたときのケースで、このとき助けにやって来た従業員がとても不安がり、救急車を呼ぼうとしている様子も分かっていたという。結局、救急隊員が駆け付けた頃には症状も回復し、彼女は自分の発作について説明したそうだ。

ただ、このケースはまだましな方かもしれない。デイリー・テレグラフ紙には、それ以外にも彼女が倒れたケースを紹介。そこには「仕事中に通路を歩いているとき、予想外に誰かが出てきて倒れた」ケースや、「自転車に乗っていた彼女に友人が“ハロー”と呼び掛けると、その驚きで発作を起こした」出来事などが並び、日常生活に大きな支障が出ていることがうかがえる。さらには「横断歩道を渡っているときに友人の発言で笑ったら、道の中央で3分間倒れた」という経験も。このときは「静かな道だったから運が良かった」(メトロ紙より)とアレンさんは振り返るが、交通量の多い場所なら命に関わりかねない状況だ。

そんなアレンさんはいま、新薬のおかげで状態がだいぶ落ち着いてきているという。この薬を飲んでから、夜中頻繁に目が覚めていたのが3時間半は眠れるようになり、さまざまな変化も実感している様子。例えば、睡眠中に起こるとされる肌や爪、髪の成長が「以前は私には起こらなかった」(デイリー・テレグラフ紙より)というが、現在は「髪はいい状態にあり、爪も伸びるようになった」と喜んでいる。今まで散々悩まされてきただけに、アレンさんの症状が改善され、1日も早く物事に集中できる日が訪れるよう祈るばかりだ。

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