庭にロケット墜落で住民激怒、マニアがキット輸入して自作も発射失敗。

2010/10/28 11:38 Written by Narinari.com編集部

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先日、英国のある家の庭に、空からロケットが落下してくるという一件が起きた。実はこのロケット、ロケットマニアのグループが付近で発射させ失敗し、時速約160キロの速度で庭に墜落したものらしい。けが人は出なかったものの、一歩間違えれば命の危険があったかもしれない事態に、住民たちは激怒している。

「空中で口笛を吹いているような音を聞いた」(英紙デイリー・メールより)と話すのは、サマセット州クルーワーに住むマーティン・コーキッシュさん。10月24日午前11時ごろ、建築作業員をしている彼は自宅の増築工事を行っていたときに、この奇妙な音に気が付いた。すると、間もなくして長さ約2メートル、重さ約10キロあるロケットの一部が家の庭に激突。幸い彼の妻と2人の子どもは家の中にいて無事で、これによる家の被害もなかったそうだ。

ちょうど同じ頃、酪農を営むフィル・メージャーさんの家族は牧場付近にパラシュートの付いた青い物体が落ちてくるのを目撃し、驚いたという。落下現場で妻のウェンディさんは「配線が飛び出ていて、電子音を発していた」(英ニュースサイトのスモールワールド・ニュースサービスより)部品を回収。搾乳を終えたフィルさんは見慣れぬ部品を確認した後、警察への連絡を指示すると、警察からは「部品は爆弾ではありません。追跡装置を搭載していて、カンタベリーの男性の物です」との説明を受けた。

このロケットは、アマチュアグループが米国から輸入したキットを組み立て、発射したもの。予定では全長約3.6メートルのロケットが高度約6,100メートルに到達した後、パラシュートでゆっくり降下してくるはずだったのだが、途中で何らかのトラブルが起きてしまったようだ。その結果、2つに割れたロケットは後部部分が時速約160キロのスピードでコーキッシュさん宅の庭へ墜落。パラシュートが残っていた前部はメージャーさんの牧場に落ちた。

追跡装置が搭載されていたおかげで、メンバー10人はすぐさま部品の回収に向かったそう。ただし、そこで待ち受けていたのは住民の怒りだった。今回の実験でリーダーを務めたリチャード・ブラウンさんは、コーキッシュさん宅に到着したときに殴られそうになったことを明かし、こってりと絞られた様子。コーキッシュさんも「彼らは“飛ばす権利”があると話していたけど、どこにでも落ちる可能性はある。誰かに当たってたら確実に死んでたよ」と、生死に関わる問題だけに怒りは収まらない。

今回の発射は英国民間航空安全局(CAA)やブリストル国際空港管制当局に付近の安全を確かめた上で実行に移しているため、ブラウンさんらは発射に問題はなかったと主張しているが、事態を重く見た警察は事故に関する捜査を開始したという。いずれにせよ、結果的に住民らを危険にさらしたのは事実で、たとえ想定外の失敗だったとしても、いささか詰めが甘かったのかもしれない。

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