懲役の代わりはピザ無料配布、脱税の罪に問われたピザ店オーナーに命令。

2010/10/23 13:20 Written by Narinari.com編集部

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米ニューヨークで先日、4年にわたり脱税をしていたピザ店オーナーの裁判があった。最高で懲役7年となる可能性もあったというこの裁判。ところが、担当した裁判官が下したのは意外にも「懲役の代わりに地域奉仕活動に勤しむこと」との判決で、その内容は「1年間、週に1回、12枚のピザを市民に無料で提供せよ」というものだった。

米紙バッファローニュースによると、この判決を受けたのはニューヨーク州バッファローでピザ店を経営するジョセフ・ジャコッビさん。彼は2004年3月から2008年5月までの間、納税すべき約10万4,300ドル(約845万円)を脱税したとして起訴され、その裁判が10月18日、ニューヨーク州最高裁判所で開かれた。

「最高7年の懲役に科せられる可能性があった」(米放送局WKBW-TVより)という今回のケース。しかし、裁判官は税金納付に加え、地域奉仕活動としてピザの無料配布を命令した。ジャコッビさんはこの判決を予想してなかったようで、困惑した彼に裁判官は「トッピングのチョイスは任せます」(バッファローニュース紙より)と付け加えたという。

判決の意図についてこの裁判官はコメントしていないが、裁判所は「失業して家を持たない人が増えている中、ピザ配布の罰は社会で貧しい人を助ける非常にダイレクトな方法」(バッファローニュース紙より)と評価している。そしてジャコッビさんの活動は、早速10月19日から始まっている。

裁判官の命令に従い、これから彼は毎週火曜日、バッファロー市当局が行っている社会支援活動にピザ12枚を届けることに。支援活動の関係者も思わぬ寄付が入ることになり、この判決を歓迎しているという。刑務所での反省ではなく、社会の一員として自覚させる道を選んだ裁判官の判断。これをジャコッビさんがしっかりと受け止め、今後の人生に役立てて欲しいところだ。

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