ツナ缶食べ過ぎで水銀中毒に? 体に良いと信じた男性がメーカーなど提訴。

2010/10/21 13:13 Written by Narinari.com編集部

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米国に、ツナ缶を毎週10個程度のペースで食べ続けていた男性がいる。メーカーのCMを見て健康に良いと信じての行動だったのだが、それが招いたのは男性が思っていたのとは全く逆の結果。男性の主張では水銀中毒に陥ってしまったそうで、メーカーと販売したスーパーマーケットに損害賠償を求めて、裁判沙汰になっているという。

米紙ニューヨーク・ポストによると、この男性はニューヨーク州ホワイトプレーンズに住む48歳のリー・ポラッツォさん。彼の主張では、2006年1月にバンブルビーフード社のCMを見てツナは“最も良質なタンパク源”と思い、購入を始めたという。問題はその摂取量で、健康になると信じて疑わない彼は週10個のペースでツナ缶を食べ続けたそうだ。ところが2008年、心臓発作かと思うような胸の痛みを感じ病院へ。そこで伝えられた検査結果は思いも寄らぬものだった。

血液検査を行ったところ、彼の血からは「危険なほど高い」量の水銀を検出。さらにこの検査後、州保健局から異例の呼び出し受け、ツナの食べ過ぎと水銀濃度について注意されたという。その後1か月ほどで水銀レベルは正常値に戻ったものの、治療中は何もできず、筋トレを自粛していた影響から体重が13キロほど減少したそうだ。

米国では2001年に食品医薬品局(FDA)が、サメやアマダイなど水銀含有量が高いとされる魚を挙げ、妊婦や幼児は摂取を控えるよう忠告。マグロに関しては、2004年3月にビンチョウマグロに対して言及があるものの、ツナ缶は「一般的に食べられる、水銀含有量が低レベルの魚」の一つに挙げている。

ちなみに、日本の厚生労働省も、2005年に「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項の見直しについて」を発表。この中でクロマグロ、メバチマグロなどについて週あたりの最高摂取量のガイドラインを示しているが、ツナ缶に関しては「通常の摂食で差し支えありませんので、バランス良く摂食してください」と、やはり特に問題はないとの判断だ。

ポラッツォさんは今回、自分が水銀中毒になったのはツナ缶を食べたからだと、バンブルビーフード社と、缶を買ったスーパーマーケットも合わせて提訴。「私の人生を変えた」と憤る彼の訴えに、バンブルビーフード社は「(同社が知る限り)米国で売られている魚介類を食べて水銀中毒になったケースはない」と反論している。そしてこの話題がツナ缶に対するイメージの悪化に繋がり、消費者に“悪影響”とならないか懸念しているという。

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