「クジラに乗った少年」に警告、悪意はなかったとお咎めなしも猛省。

2010/10/11 12:34 Written by Narinari.com編集部

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野生のミナミセミクジラの背中に、少年が乗っていた――。そんな“クジラに乗った少年”がオーストラリアで目撃され、大きな話題を呼んでいる。

豪紙サンデー・タイムズなどによると、この一件が起きたのは9月24日の午後、オーストラリア南西部にある海岸ミドルトンビーチでのこと。ここの沖合20メートル付近に4頭のミナミセミクジラが現れると、10代の少年がそのうちの1頭に近付き、危険も省みずに背中に乗ったそうだ。目撃した女性は「彼が乗ると、クジラはゆっくり尾を上げて水面を叩き、その後すぐに彼はそこを離れた」(豪放送局ABCより)という。

地元オールバニー環境当局のマイク・シェパードさんは、この一件について「クジラに接近するのは違法なだけでなく、無鉄砲だ」(豪紙サンデー・タイムズより)とカンカン。彼の話によると、ミナミセミクジラはおとなしい性格だというが、成長すると体長18メートル、体重は最高80トンに達し、まともに尾で叩かれたら「生き残れそうにない」と話している。

またオーストラリアでは、クジラに近付く行為は野生生物保全法という法律によって禁じられており、ボートは周辺100メートル、スイマーやサーファー、カヤックなどは30メートル以上離れなくてはならない。この法律はクジラを守るため、そして人間の安全のために制定されたもので、少年はこの法に触れる可能性があると警察も捜査を開始。オーストラリア国内のメディアも、最高1万オーストラリアドル(約80万円)の罰金を受ける可能性がある無謀な少年の話題を、大きく取り上げて話題となった。

そして先日、この少年が見つかり、家族と共に事情聴取を受けることに。その中で少年は、クジラに乗ったのは「その場の思いつき」と話し、意図的に近付いたわけではないと釈明。当局も少年が「彼は愚かな行動を後悔している」と反省の意を汲み、悪意はなかったと警告に留め、野生生物保全法違反の罪には問わないことにしたという。

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