中国でも珍しい火鍋の出前店、鍋やコンロだけでなくゴミ袋も店が用意。

2010/10/08 21:28 Written by Narinari.com編集部

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中華料理の代表的な料理のひとつ「火鍋」。火鍋は鍋料理全般を指す言葉だが、中でも特に有名な火鍋として知られているのが四川火鍋だ。かつて四川省に属していた重慶が「炎のように暑い街(=火城)」と呼ばれていたことから、火鍋という料理名が誕生したと一説では言われているが、四川火鍋はいまや中国全土に広がるほどの人気料理のひとつとなっている。そうした中、中国人の強い火鍋嗜好に応えるべく、ついに火鍋の出前店が登場。果たして火鍋の出前サービスとはどのようなものなのだろうか。

中国紙成都晩報などによると、火鍋出前サービスを始めたのは四川省の省都・成都にある火鍋店。中国の小さなレストランや食堂では、必ずと言ってよいほど出前サービスがあるため、出前自体は何ら珍しくもないのだが、鍋物を出前するというサービスは、中国広しと言えども滅多に見かけられるものではない。そのため、この前代未聞のサービスに多くの人の関心が集まると共に、賛否両論となっているという。

この火鍋店の出前サービスは「火鍋に必要なテーブルと椅子以外は全て用意する」という徹底ぶりだ。食材やスープ、容器はもちろんのこと、鍋や電気コンロ、ゴミ袋に至るまで、火鍋を食べるのに必要なありとあらゆる物を店側が用意してくれる。店は鮮度を保つ特大のデリバリーバッグ内にそれら全ての物を詰め込み、1時間以内に客の家まで届けてくれるそうで、デリバリー費用はわずか9元(約110円)のみ。また、この出前サービスは現在試用期間にあり、1日数量限定で提供しているとのことだ。

同店の経営者によると、出前サービスは9月末から始めたばかり。100元(約1,200円)以上の消費を条件に、出前サービスを利用できるシステムにしている。店舗を拡大するにはコストが大きいため、この火鍋の出前サービスを思い付いたそうだ。始まったばかりのサービスということもあり、今のところ利用者は1日わずか2組程度だと言うが、利用者から苦情などは特に出ていないことを明かしている。

ただ、火鍋の出前サービスには疑問を呈する声も。火鍋は生の食材を多く扱うため、品質や鮮度に神経を尖らせる人が多い。また、四川料理の専門家はこの出前サービスが斬新であることを認めつつも、デリバリー費用を9元しか徴収しないシステムには限界を感じるという。「いずれは料金が加算されるはず」とし、今後しばらくは様子を見ていく必要性を説いている。

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