革新的なエコ菓子袋が大不評、「擦れるとうるさい」の声に屈し元に戻す。

2010/10/08 15:22 Written by Narinari.com編集部

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自然を犠牲にして技術発展を成し遂げてきた今、多くの企業が力を注ぐのが環境対策。ただ物を作れば良いというわけではなく、いかに地球への負担を抑えるかという問題は、製造中から販売後に至るまで細かく考えられるようになった。そうした中、米フリトレーは「Sun Chips」というポテトチップスの包装袋を、昨年4月から生物分解性の素材に変更。ところが、この袋がとにかく「うるさい」と客の不評を買い、販売実績まで減少する事態となり、同社は以前の素材に戻すことを余儀なくされたという。

フリトレーは2009年4月、このポテトチップスの袋を“革新的”と謳う、活性堆肥で分解できる植物性の新素材での販売を同社で初めて開始。フリトレーのサイトでは、同社が以前から包装袋のゴミ問題に取り組んでいたと説明しており、「再生不能資源の使用を減らす」意味で、この新素材を開発したという。

ところが環境問題に力を入れて販売したまでは良かったものの、消費者からは思わぬ反応が返ってきた。袋が擦れると際立って「うるさい」と不評を買う事態に。そのうるささは、YouTubeにも多くの動画が投稿されており、さまざまな形で音の大きさを検証するユーザーの姿が見られる。ある投稿者は袋を片手に無言でカメラの前に立つと、おもむろに上から握りつぶしていくだけの様子を見せているが、それだけでも確かに充分うるさく聞こえる印象だ。

また、ほかの投稿者はわざわざ「Sun Chips」が並ぶ店に音量を測る機械を持参し、袋を手で触った時の音の大きさを測定。すると、最大92デシベルを観測したと字幕で表示され、これは「芝刈り機や地下鉄が通過する際の大きさに匹敵」(英紙デイリー・メールより)するそうだ。こうした声が広がると、「Sun Chips」の売り上げも「昨年に比べ11%以上の減少」(米紙ワシントン・ポストより)となったという。

そのため、このほどフリトレーは袋の素材を以前の物に戻すと発表。ただし、6種類ある「Sun Chips」のうち、2番目に売れているテイストは、これまで通り新素材の袋で販売が続けられる。フリトレーは、Facebookにこの問題に対する謝罪ページを作成するなど巻き返しに躍起になっている様子だが、環境に優しい袋作りはこれからも続ける姿勢だ。

今回の変更について、フリトレー広報のオーロラ・ゴンザレスさんは「以前の素材へ切り替える前に袋を充分使い切ったので、会社の損害はないだろう」と強調。新素材の袋に対しては「不満も賛辞もあった」(ダラス・モーニングニュース紙より)と明かし、再びエコロジーな袋を使用できるよう「次世代の物に取り組んでいる」と話している。

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