パリに「森と湖のディズニー」、ディズニーランド拡張で第3のパーク。

2010/09/19 10:45 Written by Narinari.com編集部

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開園以来2億1500万人以上の人々を迎え、フランス政府が「ヨーロッパの旅行者にとって1番の目的地」と称賛する、ヨーロッパ唯一のディズニーパーク「ディズニーランド・パリ」。そんな同パークが9月14日、1987年から続く政府との協定を2030年まで延長し、2020年以降に第3のパークを建設する計画を発表した。契約の場に立ち会ったフィヨン仏首相は、このプロジェクトが「観光業や建設業など、直接、間接を含め7万人から10万人の雇用を生む」と大きな期待を寄せている。  

政府サイトや仏紙エコー、フィガロなどによると、今回の計画では、ディズニーはフランスの大手観光・不動産業社ピエール&バカンスと共同で、最大2,230ヘクタールに及ぶ広大な土地に「レ・ヴィラージュ・ナチュール・ドゥ・ヴァル・ド・ユーロップ」(直訳:ヨーロッパ渓谷自然村)と呼ばれる“森と湖のディズニーパーク”を建設。テーマは「人と自然の調和を目指すディズニーリゾート」で、地熱発電を利用した水浴場と生活給水を配備することにより、二酸化炭素の排出量を85%削減できるなど環境に配慮したものとなる見込みだ。

70度のお湯を地中深くから引き、パークの中心にある地熱温水湖を温めるこのアイデアは、アイスランドのブルーラグーン温泉に着想を得たそう。1年を通じてパークはその恩恵を受けるとされている。

湖には入り江や沿岸部に、1910年代のアール・ヌーボー様式を基にした宿泊施設を建設する予定だが、8メートルから12メートルの樹木を植林することで建物の屋根を隠し、自然の持つ青々とした印象を保たせようと配慮される。

そのほかにも有機野菜の農園とそれらを利用したレストランや、自然をテーマにした庭園、ピクニックや乗馬用の小道など、自然との共生を楽しめるようなフランス人好みのパークとなるようだ。仏紙パリジャンは、こうした計画について「『ZEN(禅)』のコンセプトは、タワー・オブ・テラーによって感じた衝撃をすっぱりと裁ち切ってくれるだろう」と評している。

今回の計画は長期的な開発で、開園までに18億ユーロ(2,014億円)の投資を行う。当初は1,730の宿泊施設、そしてゆくゆくはそれを1万まで広げる目算で、パークの設立はさらにその後の予定とされている。

近年、バカンスの間も国内にとどまることの多いフランス人の取り込みを狙うディズニーと、不況と失業率に喘ぐフランス政府の思惑が一致したディズニーランド・パリの拡張計画。ディズニーファンにとっては、フランス旅行への1つの動機になる朗報と言えそうだ。

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