病魔に冒された猫を救いたい、200万円費やした大手術乗り越え生還。

2010/09/17 19:14 Written by Narinari.com編集部

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家族の一員でもあるペットが、もしも病気で命の危機を迎えたとしたら――。愛情を持って接している飼い主なら、当然、人間と同じように治療を受けさせ、命を救いたいと考えるだろう。オーストラリアのある女性も5歳の飼い猫が重大な病を患い、何とか救えないかと手を尽くした。そして2万5,000オーストラリアドル(約200万円)の手術費用を捻出し、これに応えるように猫も2度の心臓発作を乗り切って助かったという。

豪紙ヘラルド・サンによると、この女性はメルボルンで暮らす35歳のチャーミオン・フィリップスさん、そしてペットの猫はオスのイル・ガト。野良猫だったところを拾われ、フィリップスさんのもとで大事に育てられてきたイル・ガトだったが、ある日、致命的な病魔に冒されていることが発覚した。彼が冒されたのは脳。イル・ガトは、鼻腔の中にあった菌が骨を通って脳に達し、脳炎を引き起こしたのだという。このため、彼が助かるには頭の部分を手術するほかない状態だった。

困難で大がかりな手術が必要となるだけに、その費用は相当な額。しかし、イル・ガトと共に長い時間を過ごしてきたフィリップスさんに迷いはなかった。彼女は住宅購入用に貯めていた貯金を切り崩し、海外旅行の予定もキャンセルしてお金を集め、愛する飼い猫の手術費用を用意。そしてイル・ガトは、手術台に体を横たわらせた。

イル・ガトの手術は目の間を通る鼻腔を切開。ベテランの獣医が手術に臨んだものの、この間にイル・ガトは心臓発作を2回起こし、心停止の状態に陥ったという。これにはフィリップスさんも最悪の事態になる覚悟をしていた様子。しかし、獣医の懸命な対応により、イル・ガトの心臓は危機を乗り越え、手術は何とか終了した。

手術後、生命維持装置に一晩置かれたイル・ガトだったが、その後は自発呼吸も始めて手術は無事成功の形に。それは執刀した獣医でさえ「奇跡」と喜ぶ結果だった。フィリップスさんは「多くのお金を使ったけど、イル・ガトは6年間でたくさんのものを与えてくれた」と、多額の手術費用を要したことは意に介していない。そして彼女は仕事を辞め、今後はイル・ガトの世話に専念するそうだ。

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